ラブストーリー

「東京ラブストーリー」第9話 ネタバレ感想 | 1991年・冬ドラマ

東京ラブストーリー

前回、リカはロサンゼルス支社の転勤が決まった。
それを完治になかなか言い出せずにいたところ、彼はリカを抜きにさとみと会っていた。
転勤の件を言いそびれたことを責められ、二人で会っていることも許せず、リカは家を飛び出した。

「カンチは、さとみちゃんと二人きりで会いたかったんでしょ?」
完治はリカの問いかけに答えられなかった。
その後リカはかつての不倫相手だった和賀部長を呼び出した…
という場面で終わりました。

リカは転勤を決め、完治とどうするのか。完治はどんな選択をするのか。
9話の感想と脚本を分析していきます。

「東京ラブストーリー」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

赤名 リカ――鈴木保奈美
スポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」の事業部の社員。
ロサンゼルス帰りの帰国子女。さっぱりとした性格、はっきりとした物言いで仕事もできる。
恋愛も積極的で完治と結ばれたのだが、完治が片思いしていたさとみの存在は大きく…

永尾 完治――織田裕二
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
高校時代から同級生のさとみに片思いをし、東京で5年ぶりに再会を果たす。だがさとみは親友の三上と付き合うことに。
そして積極的にアプローチされたリカと恋人同士になるのだが、三上とさとみが別れたと知り…

関口 さとみ――有森也実
幼稚園の先生。
完治の高校の同級生。東京で高校の同窓会があり5年ぶりに再会。
ずっと好きだった三上と付き合っていたのだが、女性問題から別れを決意。完治に優しく励まされるうち…

三上 健一――江口洋介
文教大学医学部生。
完治の高校の同級生。さとみと付き合っていたのだが、度々女性問題を起こす。そして同じ研究生の尚子と抱き合っているところを見られて、ついに別れることに。ひどく傷心中…

長崎 尚子――千堂あきほ
文教大学医学部生で、資産家の娘。
真面目で優等生だが少し影がある。不真面目な三上を毛嫌いしていたが、通じ合う部分があり惹かれている。だが婚約中…

和賀 夏樹――西岡徳馬
「ハートスポーツ」の営業部の部長。
仕事ができ、頼れる完治とリカの上司。リカと不倫していた過去がある…

渡辺 昇――中山秀征
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
完治の同僚。噂好きで、リカと和賀の不倫を噂して広めている…

第9話あらすじ(ネタバレあり)

リカは完治と喧嘩した後、和賀部長を呼び出し、彼はやって来た。
そして翌日、和賀は完治をランチに誘った。
リカとロサンゼルス転勤のことで揉めているのかと聞いた。
「あいつがおまえに惹かれたのも、おまえのその懐の広さなんだろ」
「……俺には、あいつの気持ち全部受け止めてやれる度量なんて無いんです」と完治。
「逃げたいんなら簡単だ、ロスに行かせろ」と和賀は助言した。

夜、リカと完治がバーで会った。
完治はリカにロス転勤を決めたのかと聞く。
「まだ返事してないけど」とリカ。
「どうして?」
リカは完治が「ロス行きを止めると思ったのに」と言った。
「いくらなんでも、そんなこと言えない」
「え……どうして?」
完治はリカの夢を止められないと話し、
「リカにとってロス行きが一番いいと思ったら」
「そ……わかった」とリカは怒ったような顔で完治を見つめた。

尚子は三上と会っていた。
結婚式の招待状を差し出す。だが三上が茶化すと取り上げた。
「いいよ、呼ばれなくても俺は行くから」
「何しに」
「おまえを式場から連れ出しに」
「……私をあの人の代わりにするっていうの?」
「親のために結婚するような、他の女の代わりにされるような、そんな、おまえ安い女じゃない」

完治はさとみに呼ばれ、さとみの同僚も含めて鍋を囲んでいた。
同僚がさとみの気持ちを代弁する。
「信頼できて、大好きだって」
さとみは慌てた。
同僚はシャレで言ったつもりが、二人は真に受けて場が凍りつく。
そして同僚は二人を残して帰っていった。

完治とさとみはいつものように高校時代の話を始めて盛り上がる。
「人生に、巻き戻しのスイッチとかがあったりしたらさ、もう一回試してみたいよな」
「うん……」
「もしもあの日からやり直せるとしたら……」
「今度は……」
二人は見つめ合った。
「今さらだよな?」
「そう、今さら。やり直せるわけないもんね」

会社の倉庫でリカと完治は、ロス転勤のことを話した。
「やめてもいいよ? カンチがさ、行かないでくれ、とか言って泣いて引き止めるんなら」
「俺が止めたら行くのやめるのかよ?」
「私が行くのやめるなら止めるの?」
完治はそんないい加減な気持ちなのかと怒った。
「カンチに決めてもらいたいなって、行くなって、言ってくれるの期待するのって、オカシイ?」
「俺には、リカの人生背負うなんて……重過ぎる。俺なんかよせよ」
リカは完治の頬をひっぱたいて去っていった。

その後の完治は冷たかった。まるでもう終わったかのような態度。電話もかかってこない。
リカはようやく諦め、和賀部長にロス転勤の件を了承した。
それを聞いていた完治は何も声をかけずに去っていった。

完治はさとみと会い、リカがロス転勤をすると神妙に語った。
普通なら止めるのが恋人なのに止めなかった。
「あいつのしたいようにって、自由にしてやりたかった。けど、それが余計にあいつ、傷つけちゃった。結局、俺の独りよがりだったんだ」
と、うっすら涙を見せた。
そんな彼の話をさとみはじっと聞いた。
「永尾くんのそうゆうところ、好き」

三上のアパートに、酔った尚子がやって来た。
つい数時間前に、婚約者を三上に紹介したのに、
「泊めて」と尚子は言った。

早朝、電話が鳴り、起きた完治。
屋上へ行くとリカが待っていた。
「カンチ」といつもの笑顔で声をかける。
そして思いを伝えた。
3ヶ月前の私ならロスに行きたかった。
「だけど、さ……あの頃の私に教えてあげたい。海の向こうになんか行っちゃダメだよって、もうすぐあなたはステキな人に出会うんだよって」
「……」
「その人の名前は永尾完治ってゆーんだよって」
「……」
「好き、カンチ。それだけ!」
と、リカは涙をこらえて笑顔で去っていった。

三上は完治を呼んだ。
リカの転勤を止めないことで綺麗事を並べるので三上は言った。
「おまえの気持ち、隠さず全部話してやれよ!」
「……」

完治は覚悟を決めて、リカと会う約束をする。
だが完治の家にさとみがやって来た。
約束の時間は過ぎていく。
完治は「行かなきゃ」というが、
「……行かないで!」とさとみは引き止めた。
「好きなの」
「もうこれ以上、あいつを傷つけるわけにはいかないんだ」
「ひどいこと言ってるんだってわかってる。……でも、行かないで」

リカは約束した場所で待ち続けた。
完治は来ない。

「もう約束の時間過ぎたよ」と完治はさとみに言った。
「もう行かない」
さとみは完治に抱きついた。
「行けない……あいつはもういないんだ」

リカはそれから2時間半待ったが来なかった。そして、ようやく諦めて歩き始めた。

感想とシナリオ分析

完治のやり方は苛つきますね。やっぱりこういう男なのか笑
女にフラせるという芸当、お見事です。

リカは嘘でもいいから引き止めてくれる言葉を完治から聞きたい。
その言葉を引き出させようと、リカが無人のゴール前にパスを出しているのに、完治はスルーをする。
とっても真面目な顔をして笑

完治はリカにまったく本音を出さずに、
おまえのためを思って、おまえの将来のために、おまえの邪魔はできない、縛ることなんかできない、と色んな言葉を使って行かせようとする。
最終的に、「俺なんかよせよ」はたまらないですね笑

結局リカはロス転勤を決断しました。
するとそのショックを抱えたような顔をして、さとみに会います。
さとみはそういう男の弱いところを見るのが大好物ですから、余計に完治に惹かれる。
完治はかっこつけて、リカの夢だから止めない、自由にさせてやりたかったと語る。
けれどそれがリカを傷つけるなんて…と泣き笑いの顔を見せると、
さとみはそういう懐の広い男が好きだから、「素敵」となる。

なんだか完治が怖くなってきました笑
さとみを熟知してるから、攻め方が上手になってる。
引き合いの道具に使われてるリカがかわいそうで、かわいそうで。
しかしそれだけ完治はさとみが好きなんですね。よくわかりました!

その一方、終始攻め方を間違えていたリカですが、ビルの屋上で完治への思いを素直に冷静に語ったのは素晴らしかった。
それをもっと前からしていれば今のような状況はなかったかもしれない。
「好き、それだけ!」は、リカの全ての行動原理だったのでしょう。
だからこそ、ラストが切なかった。
10話で完治はリカにどうするのか、いい加減ちゃんと正直に伝えるのか気になります。

素晴らしかったセリフ

リカはロス転勤を望んでいたのは間違いない。
けれどそれ以上に完治といたかった。
うまくそれが完治に伝わらず、結局このまま別れることになるだろう。
ようやく整理がつきつつあるものの、まだ迷いもあるリカの心情を物語った彼女らしいセリフ。

「トホホだよ、カンチがいなくちゃ」