ラブストーリー

「東京ラブストーリー」第7話 ネタバレ感想 | 1991年・冬ドラマ

東京ラブストーリー

前回、完治が嘘をついてさとみに会いにいったことで、リカを怒らせた。
二人は仲直りし、完治は金輪際嘘つかないことを約束する。

さとみが完治を呼び出したのは三上の女性問題に悩んでいたからだった。
尚子の存在だ。
いったんは尚子が親の決めた人と結婚するということでさとみの不安は解消されたのだが、三上と尚子は再び会い、そして抱き合っているところを目撃する。

さとみは再び完治を呼び出した…
リカは、完治がさとみに会いに行ったことを知った…という場面で終わりました。

全体的に不穏な空気が流れています。
さとみを優先させる完治は、リカに何を語るのか。リカはどんな反応をするのか。
7話の感想と脚本を分析していきます。

「東京ラブストーリー」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

赤名 リカ――鈴木保奈美
スポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」の事業部の社員。
ロサンゼルス帰りの帰国子女。さっぱりとした性格、はっきりとした物言いで仕事もできる。
恋愛も積極的で完治と結ばれたのだが、完治が片思いしていたさとみの存在は大きく…

永尾 完治――織田裕二
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
高校時代から同級生のさとみに片思いをし、東京で5年ぶりに再会を果たす。だがさとみは親友の三上と付き合うことに。
そして積極的にアプローチされたリカと恋人同士になるのだが、度々さとみに呼ばれ…

関口 さとみ――有森也実
幼稚園の先生。
完治の高校の同級生。東京で高校の同窓会があり5年ぶりに再会。
三上と付き合っているのだが、彼の女性問題に頭を抱える。その度、完治を呼び出して相談するうち…

三上 健一――江口洋介
文教大学医学部生。
完治の高校の同級生。女癖が悪く、同じ研究生の尚子にちょっかいを出す一方、再会したさとみが好きなことに気づき告白。そして結ばれるのだが、さとみの中に完治がいることに気づき…

長崎 尚子――千堂あきほ
文教大学医学部生で、資産家の娘。
真面目で優等生だが少し影がある。不真面目な三上を毛嫌いしていたが、通じ合う部分があり惹かれている…

和賀 夏樹――西岡徳馬
「ハートスポーツ」の営業部の部長。
仕事ができ、頼れる完治とリカの上司。リカと不倫していた過去がある…

渡辺 昇――中山秀征
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
完治の同僚。噂好きで、リカと和賀の不倫を噂して広めている…

第7話あらすじ(ネタバレあり)

三上が尚子と抱き合っているのを目撃したさとみ。
完治に会ってそのことを話す。
だが完治はどう言ったらいいか分からない。
「俺には決められない。俺、何もしてやれない」

完治がマンションに帰ってくると、リカがいた。
完治はさとみと会っていたことを正直に話した。
リカは黙って完治の話を聞き入り、
「ホントのこと言ってくれて嬉しい!」と笑顔になる。
その代わり、完治の故郷の愛媛へ行こうと突然言い出して困らせる。

バーで、完治は三上に教えた。
三上が尚子と抱き合っているところをさとみが目撃していた、と。
いつもの調子で曖昧なことばかり言う三上を完治が殴りつけ、大ゲンカに発展する。
そこへリカが偶然来て、二人を止める。

三上は尚子と学校で会って話した。
結局尚子は親が決めた相手と結婚することにしたという。
すると三上は怒りだした。
「どうしたの? あなたには、あんな素敵な人がいるじゃない!」と尚子。彼女は三上が好きな様子…

さとみがリカを公園に呼び出した。
今まで二人に甘えていたことを詫びた。そして、
「三上くんと別れる」とさとみはリカに告げる。
リカはその帰り、不安になった。だがそれを振り切るようにスキップして帰る。
彼女もまた何かを覚悟して…

リカは完治に、明日愛媛に行こうと言った。
しかし突然のことで完治は首を縦に振らない。
なぜそんなにリカが急ぐのか理由がわからない。
翌朝、リカはやって来た。これから愛媛に行くといってきかない。
だが完治も、来月にしようと取り合わない。
「ダメ、今、行かなきゃ意味がないの!」とリカ。
「だから何の意味だよ?」
リカは言いかけて諦め、家を出た。

出勤した完治に、和賀部長が近づく。
「最初に言ったはずだ。あいつはそう簡単に付き合いきれる女じゃない」
「機嫌悪くて」と完治。
「機嫌悪いうちはまだいい、それはあいつの黄色信号だ。あいつの機嫌の悪さはいつも寂しさの裏返しだからな」
「……」
「赤信号は無いぞ? その前にあいつはいなくなる。ある日、突然な」
と、不穏なことを聞かされる。

さとみと三上は会った。正直に謝罪をするが、
「笑って別れよ?」とさとみ。
「勝手に決めんなよ」と怒る三上。
「来ないで! そこで、見送ってて」と言って、さとみは走り去った。
「やだよー!」と三上は泣き崩れた。

バーで、三上はやけ酒をしていた。
そこにリカが現れる。そして完治に電話をした。
「三上くんが落ち込んでるの。……きっと、さとみちゃんは、もっと。さとみちゃんの方、お願い」
完治は動揺しつつ断る。だがリカは、
「だって同級生じゃない。一緒に『仰げば尊し』歌った仲なんでしょ?」

完治はさとみのところへ行った。
さとみははじめ強がっていたが、完治と話すうち自然と涙があふれてきた。
「泣いちまえよ」と完治。
「永尾くんの前で、こんな涙見せたくない」
「もう我慢しなくていいんだ、思っきり泣いちまえよ。泣けばいいんだよ」
さとみは完治にもたれかかって泣いた。

リカと話した三上は、完治に電話した。
「彼女の気持ちも考えてやれ。彼女がおまえをさとみの所に行かせたのは、おまえが好きだからなんだ」
「……」
完治は電話を切った。そんなことはわかっているのだが、自分の気持ちに整理がつかず倒れ込む。
と、ビニール袋に手が当たる。中には、インスタントカメラや旅行用品…そして、愛媛行きのエアチケットが入っていた。
リカは本気であの日、愛媛に行こうとしていたのだと知った。

完治はリカを家の前で待った。
彼女が来ると、完治はリカを強く抱きしめた。
「どうしたの、カンチ。ねぇ、痛いよ。……カンチ?」
「……」

感想とシナリオ分析

完治は優しい男だ。
リカはそんな彼を好きなのだろう。
だがこれまでの完治は他者に振り回され放しで、どこが魅力なのかよくわからなかった。
なぜさとみにする優しさを、彼はリカに見せないのか不思議だった。
単にさとみの方が好きなんだ、ということでは片付けられないものがある気がしてならなかった。

今回の話で、ふと思った。
これはする側(完治)の問題だと思って今まで見ていたが、受け取る側にも原因がある気がしてきた。
リカだって、完治がさとみに見せる思いやりや優しさを受けたいと思うはずだ。
だがいつも、望んだものと違う形で完治から返ってくる。
それは受け止め方にも問題があるような気がしてた。

さとみは待つ女だ。
与えられるまで耐え忍ぶタイプだ。
こういうタイプは、一つの与えを大事にする。
大事に抱えて、次の与えがあるまで耐える。
完治にはおそらくそれが共感する部分で、さとみの気持ちを理解できる。

一方、リカは与えてもらうよう仕向けるタイプだ。
それは際限がなく続いてしまうので厄介だ。
余裕のない完治にはかなり重荷となる。

もちろんリカは自分からもたくさん与えるのだが、それが本当に相手が望むものなのか疑わしい。
与え続けられれば、相手はそれが当たり前になっていく。
これは受け取る側も問題なのだが、しかし前提として、それが本当に相手が望んだものだったか。
自分が与えてもらいたくて、言い方を悪くいうと、見返りを期待して餌をばらまいているに過ぎなかったのではないか。

リカがそこまで打算的な女だとは思わない。
リカは愛があふれて、やりたいこと、やってあげたいことが次から次へと出てきてしまうのはわかる。
しかし、完治はそれを望んでいるか。
愛する人が望んでいなければ、どんなに与えてもそれは通じることができない。

完治はリカのすることが度々わからない。
それでも完治は返そうとする。
けど彼女が求めるものになかなか届かない。
そしてまた新たに与える、返す、なんか少し違う、与える…
二人のすれ違いは増し、好き同士だったのに、無駄な消耗をしていく。

日本と海外育ちの違い?
それで済む話なのかな。
リカの愛するパンチが強すぎて、自分の拳もその都度痛めつけている、そんなふうに見える。
愛はもっと優しいはずなのに。

正直、完治はリカについていけない気がしてきました。
8話ではどんな展開になるのか気になります。

素晴らしかったセリフ

公園で、リカとさとみが会う。
「三上くんと出会わなきゃ、こんなせつない気持ちって、一生知らずにいれたかもって思うと……」
「うん……。でも、恋するあったかい気持ちも一生知らなかったかもね」
と、悩むさとみをリカが励ました。

「出会わなきゃ良かった人なんて、いないよ」