ラブストーリー

「東京ラブストーリー」第10話 ネタバレ感想 | 1991年・冬ドラマ

東京ラブストーリー

前回、リカはロサンゼルス転勤を正式に決めた。
完治がリカの転勤を止めなかったのは、自分にそんな権利はないという主張だった。
だが彼の頭の中を占めていたのは、さとみの存在だ。
さとみも今、完治にとても惹かれていた。

それらをリカは全て知りながら、完治に思いを伝えた。
その気持ちは彼にも響いた。
そして三上の助言もあり、完治は包み隠さずリカに本音を話そうと決意し、会う約束をした。
ところが出発直前に、さとみがやって来た。行こうとする完治に、
「好きなの。行かないで!」
結局、完治はリカに会いに行かなかった…という切なすぎる場面で終わりました。
二人はどんな最後になるのか、10話の感想と脚本を分析していきます。

「東京ラブストーリー」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

赤名 リカ――鈴木保奈美
スポーツ用品メーカー「ハートスポーツ」の事業部の社員。
ロサンゼルス帰りの帰国子女。さっぱりとした性格、はっきりとした物言いで仕事もできる。
恋愛も積極的で完治と結ばれたのだが、完治が片思いしていたさとみの存在は大きく、ロス転勤も決まり…

永尾 完治――織田裕二
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
高校時代から同級生のさとみに片思いをし、東京で5年ぶりに再会を果たす。だがさとみは親友の三上と付き合うことに。
そして積極的にアプローチされたリカと恋人同士になるのだが、さとみがやっぱり好きで…

関口 さとみ――有森也実
幼稚園の先生。
完治の高校の同級生。東京で高校の同窓会があり5年ぶりに再会。
ずっと好きだった三上と付き合っていたのだが、女性問題から別れを決意。完治に優しく励まされるうち、好きだと思いを告げた…

三上 健一――江口洋介
文教大学医学部生。
完治の高校の同級生。さとみと付き合っていたのだが、同じ研究生の尚子と抱き合っているところを見られて別れることに。その尚子は婚約者がいるが、一夜を共にする…

長崎 尚子――千堂あきほ
文教大学医学部生で、資産家の娘。
真面目で優等生だが少し影がある。不真面目な三上を毛嫌いしていたが、通じ合う部分があり惹かれる。婚約中だったが彼と寝てしまう…

和賀 夏樹――西岡徳馬
「ハートスポーツ」の営業部の部長。
仕事ができ、頼れる完治とリカの上司。リカと不倫していた過去がある…

渡辺 昇――中山秀征
「ハートスポーツ」の営業部の社員。
完治の同僚。噂好きで、リカと和賀の不倫を噂して広めている…

第10話あらすじ(ネタバレあり)

リカに会って話をするはずだった完治だが、さとみに引き止められて行かなかった。
翌日、リカと完治は会社で会った。
リカは悲しい表情で完治を見つめるだけだった。

三上が完治に、リカと話したのかと尋ねた。
まだ話せてないと伝えると、ケジメだけはつけろよ、と言った。

三上は大学で尚子と会った。
だが彼女は彼を避ける。結婚式は取り消さないという。
「なんで俺と寝た。遊びだったのか?」と三上。
「……そうよ。あなたがいつもしてることじゃない」
三上は強がり、「そうか、そうだよな、あれは遊びだよ」と去った。
尚子はうつむいた……

リカは三上とバーへ行った。
三上は尚子が好きだったと言った。彼女は結婚するから諦める、と。
リカも頑張ったけど完治とはダメかもと話す。
彼女は3週間後に、ロサンゼルスへ行く。

日曜日、完治はさとみを呼んだ。
そしてリカとの関係、これからのさとみとのこと、もう少し待ってほしいと言った。
会社に行くと、リカが仕事をしていた。
完治は、自分が思っていること全てを伝えたいと言ったが、
「いいじゃん、もうすぐ私いなくなるんだよ?」とリカ。
あの日来なかったのがあなたの答えなんだから、と。
完治は何か言わなくてはならないと思ったが何も言えない。
「いいよ、わかった。(微笑んで)ふってあげる。どうしてかな、悲しいのに、顔が笑っちゃうよ。泣ければいいのにね、こんな時。泣ければ、ちゃんとサヨナラできるのにね」
「……」
「こんなじゃハッピーエンドになっちゃうよ」と、リカは出ていった。

マンションに戻ると、完治が先に待っていた。
そして彼は、リカとやっていく自信がない、と告げた。
「何でそんなこと言うの? どの道終わりになるんだよ? 別れ話なんかする必要ないじゃない」
「このまま中途半端にごまかして、ただリカを見送るなんて、俺には出来ないんだ」
「……そんなことないよ。別れる必要なんかないよ。まだやっていけるよ、何で諦めるの」
「……」
「カンチ、また嘘ついてる」
「嘘なんかじゃない……」
「私、別れない! 絶対、別れたりしない!」と走り去った。

完治は家に帰ると、さとみから電話がかかってきた。
そして、リカと別れてきた、と伝えた。
リカとの日々を思い出し、いつも彼女は自分を励ましてくれたが、自分は愛媛に行く約束も果たせなかった。
「俺、あいつを愛してなかったのかな?」
完治は泣いた。

尚子の結婚式当日。
三上は現れた。二人きりになり、「王子様がさらいに来てやったよ」と言う。
だが尚子は入籍をすでに済ませていた。
「好きよ、三上くん」
「だったら!」
「やっぱり親を裏切るわけにはいかない。こんな風にしか生きられない人もいるのよ。でもこれだけは信じて?」
「……」
「あなたと出会えて良かったと思ってる。おめでとうって言って?」
三上は黙って出ていった。

出勤した完治に、和賀部長が近づいてきて、リカがいなくなったと告げた。
ロス転勤も断ったらしい。しばらく休む、と言って連絡がつかない。
「おまえも知らないのか?」
完治は考えた。そしてリカのロス転勤辞退を保留にしてほしいと頼み、リカを探すと言った。
「俺、あいつに会わなきゃいけないんです」

そして完治は、愛媛の写真を見て気づいた。
さとみに、「愛媛にリカを探しに行く」と言った。
「……」
「今どうしても会わなきゃいけないんだ」
さとみは呆然と彼を見送る。

愛媛に戻った完治。
ぐるぐると探し歩くが、リカはどこにもいない。
母校を訪れ、教室を回る。
校舎の柱に完治は名前を彫ったことを、かつてリカに話したことを思い出した。
「確かめに行こうよ! その隣に私も名前書くから」と彼女は話していた。

完治は校舎裏にまわり、『六年二組永尾完治』を見つける。
そしてその隣に、真新しく刻まれた文字――赤名リカ、とあった。

完治は再び街中を走り回ってリカを探した。
だがどこにもいない。
疲れ果て、学校に戻った。
校庭のサッカーボールを蹴飛ばしていると、後ろから別のボールが転がってきた。
振り返ると、リカがいた。
「カンチ!」

感想とシナリオ分析

ラブストーリーで一番乗り越えなきゃいけない高い壁は、嘘偽りのない素直な自分自身の気持ちだ。
素直な気持ちを恥ずかしがったり、誤魔化したり、あるいはプライドが邪魔したりすると、思いは上手く伝わらない。
そのせいで相手を傷つけ、やがて自分を一番傷つける。
ようやく素直になる大切さを知った時、大きなものを失ったことに気づくという展開は多い。

「俺、あいつを愛してなかったのかな?」
と完治はさとみに話しながら、リカのことを思い出していた。
完治にとって、リカはどういう存在だったのか?
少なくとも恋愛の相手ではなかったような気がする。

完治が一貫して思い続けていたのは、やはりさとみだ。
彼がその思いに素直になれず、三上と彼女が付き合ったことを祝福できないのに祝福して誤魔化したり、プライドが邪魔したりしたことがそれぞれの関係を複雑にした。
それでも、そんな彼のそばで励まし、支え続けていたリカ。
リカがいなければ、愛媛から上京したばかりの完治の心の調整はできていなかったはずだ。

リカはそんな完治を支えることで、やがて彼が自分に振り向くはずだと信じていた。
さとみに寄せる優しさが、いつか自分に向くはずだと信じていた。
けれど完治は、さとみと一緒になれるという確約がとれ、リカと別れる決心がつくまで、その彼女の健気な思いに気づかなかった。

完治がいろんなことを整理して、とてつもなく大きい存在だったことに気づいた時、彼女は彼の前から姿を消した。
必死でリカを探したのは、何を伝えるためなのか。

完治の前にリカは現れた。
最終話で二人はどうなるのでしょうか。嘘偽りのない素直な気持ちを伝えてほしい。

素晴らしかったセリフ

リカは三上に、頑張ったけど完治とはもうダメみたいと話した。
そして3週間後にロサンゼルスへ転勤する。
「友だちいるんだろ? だったら、淋しくないか」と三上。
リカは淋しそうな顔で言った。

「友だちがいるとかじゃないから。誰もいないから淋しいってわけじゃないから。誰かがいないから淋しいんだから」