サスペンス

「水曜日の情事」第7話 ネタバレ感想 | 2001年・秋ドラマ

水曜日の情事

前回、詠一郎は妻あいに不倫を感づかれ、操には別れるなら子供がほしいと言われ困惑した。
ギスギスする中、義弟の明洋とハコが結婚することになり、一転してお祝いムードに。
佐倉家で開かれたパーティーでは和やかな時間が過ぎた。
ところが操とあいが昔の男のことで口論となる。
二人が疎遠になったきっかけのエピソードだ。
互いに言いたいことを言い合い、あの頃は子供だったと丸く収まったかのように見えた。

「だったら、復讐なんてしなきゃいい」
あいが低い声で操を睨みつけ、
「詠一郎と寝たんでしょ」とみんなのいる前で聞いた。
詠一郎にも、妻の親友だった女と寝たのかと問い詰めた。
その場にいる誰もが詠一郎はごまかすと思っていたが、彼は操との不倫を認めてしまった…

その後の夫婦は、操との関係はどうなったのか、7話の感想と脚本を分析していきます。

「水曜日の情事」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

佐倉 詠一郎(35)――本木雅弘
大手出版社・文洋書店の文芸編集者。
エネルギッシュな仕事ぶりから「行動隊長」とあだ名を持つ敏腕編集者である。
結婚3年目で自他共に認める愛妻家だったが、妻の親友の操と出会い、不倫関係になる。そのことをあいに問い詰められ認めてしまう…

佐倉 あい (33)――天海祐希
詠一郎の妻。小さなリフォーム会社を経営。
両親や弟の明洋と疎遠なため、詠一郎と温かな「家庭」を築いていくことが彼女の夢。
ところが学生時代の親友の操の登場でその夢に暗雲が。詠一郎と操の不倫を疑い、問い詰めると…

天地 操  (33)――石田ひかり
あいの小・中・高と学生時代の親友。
10歳年上の財務官僚である夫が過労死してしまう。その葬式で15年ぶりにあいと再会。その夫の詠一郎を好きになり、隠れて不倫していたがあいに気づかれ…

前園 耕作 (29)――原田泰造(ネプチューン)
ハードボイルド新人賞に輝いた、若手有望株のアクション小説家。
詠一郎に誘われた文壇バー『ソル』のホステスの由香子に一目惚れ。
一方で、詠一郎の妻あいにも好意を抱いている様子…

岡島 明洋 (31)――谷原章介
あいの弟。CM音楽などを作曲している若手ミュージシャン。
あいがコツコツ貯蓄していた会社設立資金を持ち逃げして疎遠に。だが詠一郎の仲立ちで仲直りする。恋人のハコが妊娠したのを機に結婚した…

浜崎 由香子(22)――伊東美咲
文壇バー『ソル』のホステス。
耕作に好意を持たれ、お客さんとして見ていたが惹かれる。
だが耕作が詠一郎の妻あいに同情しながら恋慕していることに気づく…

小暮 志麻子(33)――木村多江
文壇バー『ソル』のママ。
常連の詠一郎をよく知っている…

沖野 晶午 (32)――北村一輝
インテリアデザイナー。
公私共に、あいの良きアドバイザーであり、親友でもある。恋愛対象は男…

都山 ハコ (20)――金子さやか
明洋の恋人。
いつも派手なファッションに身を包み、言動も子供っぽいが、実は鋭い観察眼を持つ。
明洋と操が元サヤに戻るのではと心配していたところ、明洋の子を妊娠、結婚することに…

第7話あらすじ(ネタバレあり)

「俺、お前の親友と何度も寝た」
詠一郎の告白に、一同凍りついた。
あいは「分かってた」といった。詠一郎と操がそういう関係になっても構わないとも思ってた、と。
操の旦那の葬式の時、詠一郎と操が通じ合っていたことも分かってた。
「なのに、彼女をこの家に、呼んだのか……?」と詠一郎はあ然となる。
あいは、過去に操にした罪滅ぼしで夫を親友に差し出したのだ。
それでも詠一郎を信じていた。必ず戻って来てくれると……
詠一郎は戻るつもりだったと言ったが、
「あなたは私のところに戻らないと思う。本気の恋だから」

皆が帰り、詠一郎とあいだけになると、しばらく沈黙が続いた。
その沈黙を破り、あいは笑った。「これ以上、暮らせないよね」
「つらい思いさせて、悪かった。お前がしたいようにしていいよ」
「この家を私にちょうだい。家の再生ができれば、自分の人生の再生もできるような気がする」
詠一郎は荷造りを始めた。

あいが外に出ると、そこには操がいた。
「あと、よろしく。ノシ付けてくれてやる、ってわけじゃないけど」
「あい……もうよそうね」
「何を?」
「殴ってもいいよ」
バシッとあいの平手が飛んできた。
「ごめん。痛かった? おやすみ」と冷たくあいは去っていった。
操は「待ってるから……」と詠一郎がいる家につぶやいた。

翌日、あいは晶午と会社近くのカフェで会った。
思いとどまるよう話す晶午だが、
「今なら、この離婚は自業自得だと思って、詠一郎をことさら恨むことなく別れられるの。だって操に対する償いの道具に彼を利用したんだもの」
と、あいは早々に取り寄せた離婚届を出し、証人になってくれるよう頼んだ。

詠一郎は作家の溝口に愛人が妻にバレて家庭を壊してしまったと話した。
「誠実な人間なんてものは、所詮、恋愛の些細な面しか知ることはできない、気まぐれな浮気者だけが恋愛の真髄を知ることができる。奥さんか愛人か、それで悩んでいた一ヶ月は、君の長い人生における貴重な一ヶ月だよ」
「これから、どうすればいいんでしょうか」と詠一郎。
「流されてみればいいんだよ。君が今投げされた川は、そのうち激流にぶつかるかもしれない。滝壺に突き落とされることもあるだろう。それでも流され続けていれば、広い河口が見えてきて、海に出ることができる。穏やかな海に浮かぶことができたら、祈ってあげることだ。別れた奥さんの幸せを」

あいが操のランプシェードの店にやってきた。
「私たちが15年ぶりに会ってしまったことが、そもそも間違いだったのよね」とあい。
「わたしは……会えてよかったと思ってる。ずっとあいに会いたかったから」と操。
あいも同じ気持ちだったので、こみ上げた。だがバッグから離婚届を取り出した。
「これを彼に渡してくれる? 区役所に出す時は一緒に行きたいから、都合のいい日を連絡してって伝えて」
「……」
「それと、証人欄にサインが必要なの。操に頼んでいいかな」
「家庭を壊した愛人の役目?」
「かな。それと」
と、詠一郎は風邪ひきやすく、体はあまり強くないと語った。
「何だか中古品の取り扱い説明してるみたいね」と店を出ていった。

詠一郎は操の家にいったん引っ越した。
「ただいま」と帰った。
「ずっと前からここに暮らしてるって感じする?」
「する」
そして操はあいから離婚届を預かったと話した。
詠一郎があっさりサインする。あいに連絡し、一緒に提出する日取りを決めた。

文壇バー『ソル』で、志摩子や由香子が心配そうに見守る中、耕作が痛飲している。
「馬鹿な夫婦だよね、勢いで離婚しちゃうなんて。後悔するに決まってるよ」
あいのことで悶々しているのがわかり、由香子は心が痛い。
耕作は、由香子とともに店を出た。
そして彼女は耕作を自分の家に誘い、二人は結ばれた。
「うまくできなくて、ごめんね」
「先生、優しかった、すごく」
「……なあ、どうして」
「先生の心から追い出してあげたかったの」
「何を」
「女。今夜のうちに追い出してやりたかった。いなくなったよね、もう……」と、由香子は耕作に抱きついた。

翌日、区役所の前で待つ詠一郎。あいは遅れてやってきた。
婚姻届のときもそうだったなと思いだしていると、あいが走ってやってきた。
「届けを出す前に、夫婦最後のデート、しないか」
あいは躊躇ったが、「食べようか」とうなぎを食べに行く。
三年前にした夫婦の三箇条の話になった。詠一郎はそれが何だったのかすっかり忘れていて、その約束は守られていなかったとわかる。
食事を終えて、区役所へ向かう。その二人の姿を操が見ていた。

すると突然、詠一郎が「くそっ」と発して立ち止まった。
夫婦の三箇条を守れなかった時の罰ゲームを思い出したのだという。
「いいよ、もうそんなの」とあい。
だが詠一郎は「罰ゲームはちゃんとやらなきゃ」と意地を張る。
見守る操は何を揉めているのかと窺っていると、
詠一郎は離れようとするあいの袖を掴んで、大きく息を吸った。
「俺はーー佐倉あいをーー! 一生、愛することをーーー、誓いーまーーす!」
あいはそんな詠一郎に微笑んだ。
「(すっきりした顔)やってみると気持ちいいもんだな。さっ、行こうか」
と離婚届を出しに行った。
操はなんだったのか考えた。

別れ際、あいは詠一郎と握手した。
「三年間、楽しかった」
「俺も」
「さっき、恥ずかしかったけど……嬉しかった」
そうして二人は別々の方向へ歩き出した。

感想とシナリオ分析

たった一ヶ月の不倫で、夫婦は離婚の選択をしてしまった。
あいは、操と再会してからこうなることは半ばわかっていたようだ。
自分の夫を罪滅ぼしで操に差し出しておきながら、それでも愛妻家の詠一郎に期待した。
一度や二度の浮気なら我慢できた。
でも詠一郎の口から出てきた言葉は、
「何度も何度も、お前の友だちと寝た」だった。
自業自得ではあるが、詠一郎と操がきっぱり別れることは難しいと判断し、あいは離婚に踏み切った。
親友の晶午が離婚を止めても、今なら詠一郎を恨むことなく別れられると自分の気持ちを優先する。

ちょっとあいの行動がわかるようでわからないというのが正直な印象だと思います。
たとえ過去に操にしたことが引っかかっていても、それを解消する方法は他にあった。
自分の愛する夫を差し出して、おあいこにする発想はちょっと怖い女です。
いや、人の気持ちをそんな差し引きで解決できると考える人はやっぱり幸せになれないんじゃないだろうか。
何だか欠けている、人として、と思ってしまう。

詠一郎が操を抱きながら、これは愛か否かと疑問に思うのはそういうのも関係している気がする。
あいに操作されている気さえするからだ。
けれど詠一郎は頭のいい男だから、この愚かな夢物語からやがて目が覚めるだろう。
そのとき、操と詠一郎の未来は明るくない。
もしそこまであいが考えていたら、彼女はもっと恐ろしい女となるだろう。
操を絶対に幸せにさせないという思いが、あいにないことを祈る。

8話で詠一郎と操はどういう関係になるのか。あいは今後どうなるのか気になります。

素晴らしかったセリフ

詠一郎とあいは離婚届を提出した。
「ねえ……歩き始めたら、絶対振り返るのはよそうね」とあい。
「自信ないなあ」と詠一郎。

「ダメ。相手の後ろ姿を見るのは禁物。きっと引きずるから」

そう言って別々の方向へ歩き出した二人だったが、その約束を破り、立ち止まり、振り返ったのは……あいだった。