サスペンス

「水曜日の情事」第5話 ネタバレ感想 | 2001年・秋ドラマ

水曜日の情事

前回、詠一郎はついに操とベッドを共にした。
だがすぐに二人の仲に感づいたあいが、操の家に乗り込んだ。
それでも操は詠一郎を誘惑。振り回される詠一郎。

これはただの不倫ではない。
『女と女の情念の戦い』
あいと操には15年前の因縁があった。操は簡単に諦めるつもりはないらしい。
その因縁にはもう一人、登場人物がいる。
明洋だ。彼は、操との約束を守るため成功して戻ってきた。もう一度操とやり直したいと言うが……

それにしてもなぜ、そんな因縁がありながら、あいは詠一郎に操を会わせたのか?
最大の疑問が残る。
とはいえ今、詠一郎には近々の問題があった。
「結婚記念日と愛人の誕生日が重なった場合、男はどちらを選ぶべきか……」
彼はどんな決断をしたのでしょうか?
5話の感想と脚本を分析していきます。

「水曜日の情事」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

佐倉 詠一郎(35)――本木雅弘
大手出版社・文洋書店の文芸編集者。
エネルギッシュな仕事ぶりから「行動隊長」とあだ名を持つ敏腕編集者である。
結婚3年目で自他共に認める愛妻家だったが、妻の親友の操と出会い、不倫関係になる…

佐倉 あい (33)――天海祐希
詠一郎の妻。小さなリフォーム会社を経営。
両親や弟の明洋と疎遠なため、詠一郎と温かな「家庭」を築いていくことが彼女の夢。
ところが学生時代の親友の操の登場でその夢に暗雲が。詠一郎と操の不倫を疑う…

天地 操  (33)――石田ひかり
あいの小・中・高と学生時代の親友。
10歳年上の財務官僚である夫が過労死してしまう。その葬式で15年ぶりにあいと再会。その夫の詠一郎を好きになり、隠れて不倫する。一方、元カレの明洋からも言い寄られ…

前園 耕作 (29)――原田泰造(ネプチューン)
ハードボイルド新人賞に輝いた、若手有望株のアクション小説家。
詠一郎に誘われた文壇バー『ソル』のホステスの由香子に一目惚れ。
一方で、詠一郎の妻あいにも好意を抱いている様子…

岡島 明洋 (31)――谷原章介
あいの弟。CM音楽などを作曲している若手ミュージシャン。
あいがコツコツ貯蓄していた会社設立資金を持ち逃げして疎遠に。だが詠一郎の仲立ちで仲直りする。詠一郎と操の不倫を知っているが、元恋人の操にアプローチする…

浜崎 由香子(22)――伊東美咲
文壇バー『ソル』のホステス。
耕作に好意を持たれ、お客さんとして見ていたが、徐々に惹かれていき…

小暮 志麻子(33)――木村多江
文壇バー『ソル』のママ。
常連の詠一郎をよく知っている…

沖野 晶午 (32)――北村一輝
インテリアデザイナー。
公私共に、あいの良きアドバイザーであり、親友でもある。恋愛対象は男…

都山 ハコ (20)――金子さやか
明洋の恋人。
いつも派手なファッションに身を包み、言動も子供っぽいが、実は鋭い観察眼を持つ。
明洋と操が元サヤに戻るのではと心配…

第5話あらすじ(ネタバレあり)

デートの後、ホテルで抱き合った詠一郎と操。
操は「誕生日、一緒にいてね」と言い出す。その日が、詠一郎とあいの結婚記念日と知っていて。
詠一郎はやんわりといなすが、
「一緒にいてくれなかったら、遺書に詠一郎の名前を書いて死ぬ」と半ば冗談のように話す操。
詠一郎は失笑したが、本気に思えてきてゾッとする。愛人を持つ男に課せられた、最初のハードルを超えることができるか……

家に帰ると、詠一郎はすぐに風呂へ行き、身を清めた。
あいと結婚三周年記念の話になった。毎年恒例の北京ダックを思いっきり食べるイベントを約束する。
あいは甘えるように詠一郎の膝枕で眠る。
詠一郎はあいの頭をなでながら、神妙な顔つきになった。
「俺を信じてくれよな。必ず戻ってくるから、お前のところに帰ってくるから……」と。

操がランプシェードの店を開いた。
そこへ詠一郎とあいが訪れる。
「明日、操の誕生日よね。私たちの結婚記念日と同じなの」とあい。そして操を食事に誘った。
詠一郎は内心、助かったと安堵する。
ところが操は断った。お祝いしてくれる人がいる、と詠一郎を見つめる。
「男の懐の深さを、愛人に試されている」と詠一郎は目を伏せた。

あいは晶午と会い、結婚記念日に何かが起こる、と予言する。
「その日はある女の誕生日と一緒なの」と、あいは完全に感づいていた。
「私の目は節穴じゃないのよってやつね」と晶午。
あいは両親が互いに浮気をしあい家庭が崩壊した経験を持つ。
「父が家の柱を一本外すと、母が別の柱を外す……」そんな家庭だった。
「だからリフォームの仕事はあいにとって、家庭に命を注ぐことなんだね。あいは佐倉家に命を注ぐことができる?」
「相手があの女だとしたら……私、許せるかな」

耕作は執筆中、詠一郎からFAXが届いた。
結婚記念日と愛人の誕生日を祝うダブルヘッダーをこなすため、当日の協力を求められる。
そこには事細かなシナリオが記されていた。

そしてその日を迎えた。
朝はあいと今夜の北京ダックを楽しもうと言い、昼には操の店を訪れ、今夜は店で誕生日祝いしようと詠一郎は言った。

ところが会社に戻ると、明洋が待っていた。
詠一郎の弱みにつけ込み、自分の事務所からデビューするアイドルを売り込んできた。
しかし明洋は夫婦の関係を壊したいわけではなかった。むしろ操を取り返したいのだ。
そして操の良からぬ噂を口にする。
彼女は夫に高額の生命保険をかけ、毎晩ベッドを迫った。役人の仕事が激務の夫は過労死したが違う。
「あいつは家庭の中で過労死させられたんだ」という噂だった。

夜の8時が過ぎた。高級中華料理店で待っている詠一郎。
遅れてやって来たあい。
タイムリミットは1時間45分……、操は詠一郎を店で待った。

文壇バー『ソル』で、耕作は詠一郎から届いたシナリオに目を通していた。
そして詠一郎の携帯に電話をかけた。
ちょうど席を外していた詠一郎の携帯を手にするあい。耕作からで出る。
耕作はシナリオを読みながら、緊急事態だと伝える。
詠一郎は何食わぬ顔で戻ってきて芝居をし、耕作のせいにして店を出た。

そのやりとりを聞いていた由香子。
詠一郎の不倫に協力し、辛そうにやけ酒を飲む耕作を見て、
「佐倉さんの奥さん。だから辛いの?」と彼の心を探った。

約束通り、詠一郎は操の店にやってきた。
彼女の誕生日を祝う。
キスを求める操。
「ごめんな……今夜は勘弁してくれよ」と詠一郎は拒んだ。
操も理解した。そしてなぜ詠一郎に惹かれたのかを話した。
葬式の時、操は親族から責められて孤独だった。
それで夫の好きな奥村チヨを歌っていたら、唯一、詠一郎だけがそれに気づいた。
「この人だけがわたしを分かってくれる!」そう思い、恋に落ちたのだと。

だがその頃、あいは操の店に向かっていた。
店の中に人影を見つける。詠一郎がいると確信して扉を勢いよく開けた。
現れたあいは店内に目を走らせたが、いたのは操だけだった。
互いにとぼけて話す。そして余ったケーキを分け合い、祝った。
「結婚記念日、おめでとう」と操。
「誕生日、おめでとう」とあい。

あいが帰ると、詠一郎は風呂上がりだった。
彼は妻の行動を予測していたのだ。
あいは尋ねた。
「私の笑顔、好き?」
操の店で話していたとき、操の彼の話になった。操の彼が彼女を好きになったのは、操から笑顔を導き出した時たくましい男に思えてくるからと言われたらしい。
それは詠一郎の言葉だった。
詠一郎は操に言ったことと違う表現であいに伝えた。なぜなら、
「女房の笑顔は愛人の笑顔とは違うから」
そうして二人はキスをした。

感想とシナリオ分析

妻と愛人に振り回されていた詠一郎が、今回はうまく立ち回ることができました。
あいは夫の不倫に完全に気づいていますが、二人の鉄壁な守りに証拠がつかめません。
操も意外と冷静で、うまくやろうとしている詠一郎に半ば協力しました。
とはいえ、破滅が近い予感がします。

その爆弾の一つが、耕作です。
彼は詠一郎の妻に同情しながら恋慕している。
現状は作家の性で怖いもの見たさで協力しているが、どうも限界が近そう。
しかし、ここへきてそれを引き止める役目の由香子がいい活躍をしています。
彼女は間接的に詠一郎の味方になるかもしれません。
詠一郎の危機を操るキャラクターの配置がとてもうまいことに気付かされます。

それと明洋。ではなく、その彼女のハコも危ない。
明洋が操に近づけば、ハコはなりふり構わず全てを壊すでしょう。

とにもかくにも、詠一郎の不倫がバレる、現場を押さえられる可能性は依然として高い。
それに気づきつつも詠一郎は危険な道に踏み込んだ。
その歩みを止める気配は感じられない。
彼は妻をたしかに愛している。必ず戻ってくると決めている。
しかしそれでも惹かれてしまう欲望には勝てないらしい。

不倫はやはり底なし沼だ。

今回の話は、不倫する夫のリアルな感情がでていたと思います。
そして彼だけがうまくやれているという愚かさも見れた。
ただやはり、詠一郎が追い込まれれば追い込まれるほど面白いので、6話では彼が絶体絶命になる展開が求められます。

素晴らしかったセリフ

詠一郎は妻の秘密と愛人の秘密を知り、その足で作家の溝口の家に原稿を取りに行った。
「先生、どうして女性は、男をこうも消耗させるんでしょう」と詠一郎。
「永遠の命題だな。強盗は『金か命か』と迫る。女は『金も命も』と要求する」と溝口。
「それ、わかります」と失笑。

「その貪欲さに男はなぜか溺れてしまう。欲深い女を満足させることで、男たる証明ができるんだろう」