サスペンス

「水曜日の情事」第4話 ネタバレ感想 | 2001年・秋ドラマ

水曜日の情事

前回、詠一郎はあいの弟の明洋に、操の家から出ていくところを見られた。
明洋は姉と仲直りしたいため、詠一郎に仲立ちを頼み、操のことは口をつぐむ。
あいが出張した水曜日の夜、詠一郎は再び操の家を訪れた。
そこで、あいの嘘と、あいと操の15年前の因縁を知る。
あいの嘘に罪悪感が消えた操は、寝室に来るか否か、詠一郎に判断を委ねた。
詠一郎は寝室へ向かい、ついに彼らは体を交わした。
しかし、出張していたあいは、夫に嘘をつかれたことに気づく。
アリバイが崩れたことを知らない詠一郎はどうなるのか…
4話の感想と脚本を分析していきます。

「水曜日の情事」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

佐倉 詠一郎(35)――本木雅弘
大手出版社・文洋書店の文芸編集者。
エネルギッシュな仕事ぶりから「行動隊長」とあだ名を持つ敏腕編集者である。
結婚3年目で自他共に認める愛妻家だったが、妻の親友の操と出会い、不倫関係になる…

佐倉 あい (33)――天海祐希
詠一郎の妻。小さなリフォーム会社を経営。
両親や弟の明洋と疎遠なため、詠一郎と温かな「家庭」を築いていくことが彼女の夢。
ところが学生時代の親友の操の登場でその夢に暗雲が。詠一郎の嘘にも気づいた…

天地 操  (33)――石田ひかり
あいの小・中・高と学生時代の親友。
10歳年上の財務官僚である夫が過労死してしまう。その葬式で15年ぶりにあいと再会。その夫の詠一郎を好きになり、隠れて不倫する…

前園 耕作 (29)――原田泰造(ネプチューン)
ハードボイルド新人賞に輝いた、若手有望株のアクション小説家。
詠一郎に誘われた文壇バー『ソル』のホステスの由香子に一目惚れ。
一方で、詠一郎の妻あいにも好意を抱いている様子…

岡島 明洋 (31)――谷原章介
あいの弟。CM音楽などを作曲している若手ミュージシャン。
あいがコツコツ貯蓄していた会社設立資金を持ち逃げして疎遠に。だが詠一郎の仲立ちで仲直りする。詠一郎と操の不倫を知っているが…

浜崎 由香子(22)――伊東美咲
文壇バー『ソル』のホステス。
耕作に好意を持たれるが、まだお客さんとしてしか見られず…

小暮 志麻子(33)――木村多江
文壇バー『ソル』のママ。
常連の詠一郎をよく知っている…

沖野 晶午 (32)――北村一輝
インテリアデザイナー。
公私共に、あいの良きアドバイザーであり、親友でもある。恋愛対象は男…

都山 ハコ (20)――金子さやか
明洋の恋人。
いつも派手なファッションに身を包み、言動も子供っぽいが、実は鋭い観察眼を持つ。

第4話あらすじ(ネタバレあり)

「すごい。すごすぎる」と、詠一郎は、操のベッドの中で目を覚ました。
青空の下、新大橋を渡り歩いて家路へ向かう途中、詠一郎は思った。
「女房を裏切ってしまったという罪悪感なんて、どっかへ消し飛んでいた。心地いい脱力感が病みつきになりそうで、怖かった……」
しかし耕作の留守電を聞いて渋い顔。
「溝口先生がテレビに出ている。言い訳考えて」と。

詠一郎が自宅のドアを開けると、そこに湯上がりで髪を乾かすあいがいた。
「夫婦で朝帰りだね」というあいに、詠一郎はどんな顔をしていいのかわからない。
詠一郎はシャワーを浴びながら考えた言い訳を話した。
「大変だったね」と、あいは納得したかに見えた。

その夜「ソル」で、詠一郎は耕作に「先生のおかげで助かった」と最敬礼。
「悪事に加担してしまった……」と自己嫌悪の耕作。
反省しているわけでもなさそうな詠一郎に懲りずに操のところへ行くのかと訊く。
「先生、こういうのはね、男が先に弱みを見せたら負けなの」

あいは昨日の疲れから先に寝入っていた。
その寝顔を見ながら、前夜、操が話したあいの嘘や悪女ぶりを詠一郎は思いだしていた。
「(妻にそっと)お前、本当にそんなこと企んだのか?」
あいの話には続きがあった。
自分の弟を操にあてがい、あいは操の彼を奪った。その仕返しに、操は年下の明洋を骨抜きにして高校中退までさせてしまった。
そんな過去が二人の間にはありながら、妻は、
「どうしてあんな女を俺の前に連れてきたんだ……」と、詠一郎は首を傾げた。

翌朝、操宅の玄関の呼び鈴が鳴った。
「早いな」と言いながら、操が嬉しそうに駆け足で玄関を開けると、そこにいたのは、なんとあいだった。
そのままダイニングに上がる。二人分の朝ごはんに気づくあい。
「これは……死んだ主人の」と瞬時に考えた操。

操は時間を気にするが、あいはお構いなしで長話をする。
そして15年前のわだかまりに言及した。
あいは、明洋のことも、操の彼と一緒だったことも全部偶然だと言い張った。
操は「そういうことにしときましょう」と話を打ち切り、時間を気にする。そろそろ詠一郎が来てしまう。

ようやく、あいが腰を上げた。
「死んだご主人のお茶碗、思い切って割っちゃいなさい」
詠一郎のものと知っている様子だ。
「自分じゃできなかったら、やってあげようか私が、貸して」
操は慌てて茶碗を取り上げた。

あいが帰り、操は大急ぎで詠一郎に電話。
「あと3分くらいで橋を渡るかな……」
青ざめる詠一郎は急いで橋を回れ右し、走って戻った。

日曜日、佐倉家に操が来た。
クリームシチューを作るあいがブロッコリーを忘れたと部屋を出ていった。
詠一郎と操は二人きりになった。
「詠一郎さん。わたしのこと、愛してる? 言わなくていいから態度で示して」
詠一郎がキスしようとするが、
「今日一日、結婚指輪、外して」
難題を突きつけられながらも強がって指輪を外す詠一郎。
操はその指輪を受け取ると、シチューの大鍋に落とした!
慌てて探す詠一郎を見て、操は爆笑する。

結局あいが戻ってきても見つからず、どの皿に入ったのかわからない状態でシチューを食べることになった。
早食いしておかわりに向かう詠一郎。また鍋の中を探しているとあいがきた。
ふと、操に振り返った。
すると彼女が詠一郎を見て、ニッと笑った。歯の間に詠一郎の結婚指輪があった。

チャイムが鳴り、耕作と由香子が来る。
あいが迎えに行った間で、詠一郎は取り返しに行った。
だが操は意地悪して、口の中に指輪をしまい返さない。
口移しなら返してあげる、と唇を詠一郎に突き出す。
詠一郎は玄関の方を窺いながら、急いでキスをした。
だが操が抵抗。長いキス……
間一髪、彼らがやってくる前に取り返した。ヘトヘトになる詠一郎だった……

楽しげに帰る操だったが、家の前で明洋が待っていた。
そして家に上がり、15年前のキスの話になった。あいが弟にけしかけたこと、に反発する明洋。
操があの頃本気だったと考えていた明洋だが、操は遊びだったと言った。
「俺はもう十五年前のガキじゃないよ。操と結婚するために、必ず一人前になって帰ってくるから、そう言ったろ。約束、俺、守ったつもりなんだけど」
それでも操は相手にせず家から追い出した。

翌日、明洋の恋人のハコが詠一郎の会社を訪れた。
あいと別れて、早く不倫してる操と一緒になれという。
ハコは明洋が操に惹かれていることに焦っていた。
詠一郎の「トラブルメーカーだな」という一言にハコがキレた。
「お手軽に別の女を抱いちゃうようなあんたみたいな男、絶対いい死に方しないね」

詠一郎は新たな問題を抱えていた。
「結婚記念日と愛人の誕生日が重なった場合、男はどちらを選ぶべきか……」

感想とシナリオ分析

あいが怖い。
夫の不倫に気付いた妻はこのくらいやるのだろう。

操の家で、詠一郎が使ってる茶碗だと気づいて、
「死んだご主人のお茶碗、思い切って割っちゃいなさい」のあいの顔は夜叉だ。
一方、びびる操が新鮮で面白い。
「自分じゃできなかったら、やってあげようか私が、貸して」
と茶碗を割ろうとするあいは操に宣戦布告したのだろう。
その表現の仕方が秀逸で素晴らしかった。

でもやっぱり操も怖い。

宣戦布告を受けた操が、佐倉家に呼ばれる。
シチュー作りの最中、あいが家を出ていき、二人きりになった。
すると詠一郎の結婚指輪を取り上げ、操はシチューの鍋にそれを落とした。
詠一郎が慌てて探すが見つからず、あいが戻ってきてしまう。
この後は、指輪のロシアンルーレット状態。
詠一郎は気が気じゃない。運を天に任せた。
誰が泣き、誰が笑うのか?

もう目が離せない、ハラハラドキドキのシーンの連続で最高に面白かった。

青ざめた詠一郎が「ホラーだ」と思うのも無理もない。
不倫する夫がこれだけいじめられると、視聴者も思わず笑ってしまう。
操も追い込まれる。あいにも原因がある。
すごくバランスが良くて、不倫ドラマなのにねっとりしたドロドロ感がなく、それでいてハラハラできる。やはり最上のドラマだと思った。
4話は神回といえるだろう。

5話ではさらにどんな苦しい展開が見られるのか楽しみです。

素晴らしかったセリフ

詠一郎が溝口をアリバイの口実に使ったことを白状する。
「女ってやつは、我々男を何とも救うべからざる悪人として発見する」
と、溝口はオスカー・ワイルドの言葉を引用した。
それに詠一郎が答えた。

「自分がこんなに悪い男だとは思いませんでした」

また、明洋の恋人のハコが案外鋭い言葉を連発する。
それがひと周り以上年の離れた詠一郎に響いてるのが面白い。

「奥さんが愛せなくなって別の女を愛するならわかるよ。奥さんも愛して別の女も同じくらい愛するなんて、最低な男だよ」