サスペンス

「水曜日の情事」第2話 ネタバレ解説 | 2001年・秋ドラマ

水曜日の情事

前回、愛妻家の詠一郎は妻あいの親友の夫の葬式に出た。
そこで未亡人となった操と出会う。
操は葬式のさなか、亡き夫が好きだった奥村チヨの『恋の奴隷』を歌っていた。
それに唯一気づいた詠一郎はなんだか不思議な感動を覚えた。

そのことを新進気鋭の小説家の耕作に話し、恋愛小説を書くよう依頼。
創作意欲がかき立てられた耕作も操が気になった。

一方あいは操をどこか警戒している様子。親友なのに15年ぶりの再会だった。
しかし詠一郎とあいが住む家の近くに、操が暮らす新居を紹介した。

そんなとき、突然操が詠一郎の会社を訪れた。
切なげな涙目で詠一郎を見つめると、彼女は言った。
「あなたのことが好きになっちゃった……どうしよう!」

詠一郎はこれから不倫の沼へ足を踏み入れていく。
その一ヶ月後は泥沼になることがすでにわかっているが、先が気になりすぎる……
2話の感想と脚本を分析していきます。

「水曜日の情事」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

佐倉 詠一郎(35)――本木雅弘
大手出版社・文洋書店の文芸編集者。
エネルギッシュな仕事ぶりから「行動隊長」とあだ名を持つ敏腕編集者である。
結婚3年目で自他共に認める愛妻家だったが、妻の親友の操の出会いで変わってしまう…

佐倉 あい (33)――天海祐希
詠一郎の妻。小さなリフォーム会社を経営。
両親や弟の明洋と疎遠なため、詠一郎と温かな「家庭」を築いていくことが彼女の夢。
ところが学生時代の親友の操の登場でその夢に暗雲が…

天地 操  (33)――石田ひかり
あいの小・中・高と学生時代の親友。
10歳年上の財務官僚である夫が過労死してしまう。その葬式で15年ぶりにあいと再会。詠一郎とも出会い、彼に近づいていく…

前園 耕作 (29)――原田泰造(ネプチューン)
ハードボイルド新人賞に輝いた、若手有望株のアクション小説家。
詠一郎に誘われた文壇バー『ソル』のホステスの由香子に一目惚れ。詠一郎から恋愛小説を書くよう頼まれるが…

岡島 明洋 (31)――谷原章介
あいの弟。CM音楽などを作曲している若手ミュージシャン。
あいがコツコツ貯蓄していた会社設立資金を持ち逃げして疎遠に…

浜崎 由香子(22)――伊東美咲
文壇バー『ソル』のホステス。
営業として新人客の耕作に積極的なモーションをかける…

小暮 志麻子(33)――木村多江
文壇バー『ソル』のママ。
常連の詠一郎をよく知っている…

沖野 晶午 (32)――北村一輝
インテリアデザイナー。
公私共に、あいの良きアドバイザーであり、親友でもある。恋愛対象は男…

都山 ハコ (20)――金子さやか
明洋の恋人。
いつも派手なファッションに身を包んでいる。

第2話あらすじ(ネタバレあり)

文壇バー『ソル』で、詠一郎は、操にいきなり愛の告白をされたことを耕作に話した。
「男と女ってそんな唐突な始まり方もあるんですね」と耕作。
「逐一報告するから、ちゃんと作品にしてくださいよ。そのためにあえて危険な世界に足を踏み入れてんだから」
という詠一郎だが、一つ解せないことがある。
それは妻あいと操の親友関係だ。なぜ15年も会っていなかったのか……

操が、隅田川の向こう、徒歩15分の隣町へ引っ越してきた。
手伝いに詠一郎やあい、耕作もいたのだが、操は彼らの目を盗んで詠一郎を誘ってくる。
「詠一郎さんだったら、(ベッドの置き場所は)どこがいいと思う?」
「俺が寝るわけじゃないからなあ……」

引っ越しが終わり、あいと自宅に戻った詠一郎が、疑問に感じる操との関係について尋ねた。
「話して楽になっちゃおうかな」と、あいは操に負い目があると話し始める。
女好きの弟の明洋が、学生時代に操を妊娠させて、堕ろさせた。
その事件がきっかけで疎遠になったのだという。
詠一郎は明洋と会ったことがなかった。あいも弟の行方を知らない。過去に独立資金を持ち逃げされ、会っていなかった。

明洋はCM音楽などを作曲する若手ミュージシャンになっていた。
恋人のハコが彼の身の回りのことをする。

翌朝、久しぶりに詠一郎とあいは二人で朝食をとった。
「たまには和食の朝食も食いたいな」と詠一郎は不満をもらす。
先に出ていくあいを送り出し、詠一郎は急ぎ身支度を始めた。
そして出勤とは別の道を行き、隅田川を渡り、操の家の前へ。
「辛い過去にもめげず、女が今日一日を生きようとしている……それだけを確かめられたらよかったんだ」
と、詠一郎は操の家を通り過ぎようとした刹那、ガラッと玄関が開いた。
「いらっしゃい。やっぱり来てくれたんだ!」
「ど、どうして……」
「カンよ。だから急いで掃除してたの」と、強引に家の中へ招き入れた。

家に入ると、和食の朝食が二人分テーブルに用意されていてまた驚いた。
真新しい夫婦茶碗もある。
茫然としながら、詠一郎は二度目の朝食を口にした。
「なんだかパラレルワールドに入りこんだみたいだ」
「これからも仕事行く前に寄ってよね」と操。
詠一郎はできないよと断りながらも操と携帯番号を交換し合う。
「ドキドキするね、何だか」と楽しそうな操だった。

その夜、別の小説に締切に追われる耕作に詠一郎は電話した。
操のところへ行くと話す。
「早まっちゃダメです! 奥さんの顔を思い浮かべて!」と止める耕作。
「先生、もっと止めて! あーダメだ!」と切った。
隅田川を眺めながら、
「水曜日の夜、男は獣になる……」と。

ところが操は家におらず、がっかりしながら自宅に戻ると操がいた。
あいと昔のアルバムを見て盛り上がっていた。
詠一郎も加わり写真を見ていると、あいの弟の写真が出てきて空気が重くなる。
だが操は笑顔を作った。

操を夫婦で家まで送って帰ろうとすると、あいが仕事で行けなくなる。
詠一郎は操から距離をおいて歩くが、操は軽やかな足取りで距離を縮めた。
「手つなご」
詠一郎が拒否すると、操はむくれた。そして家の方とは違う道をずんずん突き進む。詠一郎は追うしかない。
そして人気がない場所で操は抱きついた。
「……寂しいの。寂しくて、凍えそう」
詠一郎は両手をぶらんとさせたままだ。
だが操は「一分だけ」とギュッと強く抱きつく。カウントダウンされ、あと十五秒になったときだった。
詠一郎は衝動を抑えられなくなり、操にキスをした。貪るようなキス、キス、キス。

詠一郎は家に帰ると、あいが後ろから抱きしめてきた。そしてキスをせがんだ。
「操の感触が残る唇で、女房にキスしてる」
理性を取り戻し、そう考えながらキスをしていると、あいは唇を離した。それからおもむろに、
「操には気をつけてね」と言った。
詠一郎は気づかれたかと思うのと同時に、あいと操にはまだ自分の知らない秘密があるのでは思った。

翌朝もあいの朝食を食べてから、操の朝食を食べに行く詠一郎。
その後をつけるオープンカー。
乗っているのは、明洋とハコだ。不敵に笑う。
そして詠一郎と操が出てくると、明洋は声をかけた。
「あれ? 姉ちゃんの親友の家から姉ちゃんの旦那さんが出てきたっということは……」
凍りつく詠一郎と操。操は家に逃げた……

「バチが当たったんだ。きっとそうだ。こんな不埒な真似はもう金輪際いたしません。だから……神様、助けて」
と、心の中で必死に願う詠一郎だった……

感想とシナリオ分析

操の突然の愛の告白を受けた詠一郎はどうするのか?
それが今回の話の見どころでした。

詠一郎とあいの家から川を挟んで15分の隣町へ、操は引っ越しをした。
その後、手伝いにきた詠一郎を目で誘ったり、彼が来ることを予想して朝食を作って待っていたり、彼を驚かせる様々な攻撃を操は繰り広げました。

その攻撃に興奮はしても、それでもまだ詠一郎は冷静さを保っていた。
彼はいつでも引き返せるそんな様子でしたが、操を家に送り届ける道すがら、突然抱きしめられ、カウントダウンが始まりました。

それはまるで詠一郎が、進むか退くかを決断させるカウントダウン。
あと20秒……と潤んだ目で見つめられ、詠一郎は冷静を保っていられなくなり、操にキスをした。

その帰り、家で待っていたあいが詠一郎にキスをせがんだ。
妻の直感は当たったに違いない。
しかしまだ詠一郎が引き返せそうな雰囲気だとも感じたはずだ。
軽い忠告で、あいは済ませた。

それで理性を取り戻した詠一郎は、妻の寝顔を見つめ、安堵するように彼女の頭をなでた。
だがどうしても操の顔がちらつく。

『大事なのは妻、愛してしまったのは愛人』
不倫する人がよくいう言葉だ。

詠一郎も同じで、妻の寝顔に、
「俺の宝物だと、思える時だ」と語るも、
「なのに俺ときたら、川の向こう、直線距離にして五百メートル先にいる彼女を、想う……」
と、衝動を抑えられず、翌朝も操の家へ足が向かった。

やはり理性と衝動の戦いでは、本能が勝ってしまうようです。

しかしあっけなく、あいの弟に不倫がバレてしまいました。
高揚した気分は一気に奈落の底へ。

でも思い出してほしい。一ヶ月後は泥沼になるはず。
詠一郎が義弟にバレても突き進んだわけを知りたい。
3話はいったいどんな展開になるのか楽しみです。

素晴らしかったセリフ

操の家で朝食をとったその夜、詠一郎は再び操の家へ向かった。
「俺、これから国境を超えます」
と、耕作に電話をする。
「国境?」

「夫婦愛に満ちた平和な国から、よからぬ愛が待つ誘惑の国へ」