サスペンス

「踊る大捜査線」第8話 ネタバレ感想 | 1997年・冬ドラマ

踊る大捜査線

刑事ドラマでよく耳にするプロファイリング。
特殊な事件が起きて、専門家が犯人を特定するんだよね?みたいに認識だと思います。
でも、それ当たるの?と、やや懐疑的な世界に感じていませんか?
昔はFBIとかで活躍しているイメージがあったんですが、日本では活躍したんですかね。あまり聞きません。

そもそもプロファイリングとはなんなのか?
調べると、「プロファイリングとは、犯行現場や被害者、その他、入手可能な証拠類を詳細に評価することによって、犯人属性を演繹することであり、捜査対象者や、捜査対象エリアの絞り込みのために用いる捜査支援ツールの一つである」
と、ある通り、これは刑事が普段やっていることとそんなに変わりがないように感じます。
おそらくプロファイラーは、そこに統計学や行動心理学を駆使して、捜査を絞らせる役割を担っているんだと思います。

しかしやっぱりどうなんでしょう?
その枠に収まる犯罪者もいれば、これだけ情報が溢れていると、プロファイリングを逆手に取る頭のいい犯罪者もいる気がします。
今後プロファイラーはAIにとって代わるでしょうし、活躍の出番は少なくなりそう。
実際、犯人検挙で活躍しているのは、防犯カメラです。それをつなぎ合わせて捜査する、リレー捜査がかなり有効と聞きます。
将来的には、犯人の犯行や動機から犯人像を探るというのは時代遅れな捜査手法になりそうですね。

「踊る大捜査線」第8話の感想と脚本を分析していきます。

「踊る大捜査線」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

青島俊作――織田裕二
湾岸署刑事課強行犯係、巡査部長。脱サラ刑事。
コンピュータ会社の営業マンから警察官へ転職。練馬署地域課勤務を経て、湾岸署刑事課に勤務…

恩田すみれ――深津絵里
湾岸署刑事課盗犯係、巡査部長。
警視庁総務部婦人留置係から湾岸署盗犯係へ…

室井慎次――柳葉敏郎
警視庁刑事部捜査一課管理官、警視。
担当管理官として湾岸署にやってくる…

和久平八郎――いかりや長介
湾岸署刑事課強行犯係、巡査長。
八王子署刑事課勤務の際、同僚が目の前で殺害される過去がある。定年間近の刑事…

真下正義――ユースケ・サンタマリア
湾岸署刑事課強行犯係、警部補。
東大卒のキャリア組。湾岸署に研修として配置。警部の昇任試験の勉強中…

柏木雪乃――水野美紀
一般市民。日本帰国直後、父親が殺害される…

神田――北村総一朗
湾岸署署長、警視正。

秋山――斉藤暁
湾岸署副署長、警視。

袴田健吾――小野武彦
湾岸署刑事課課長、警部。

魚住二郎――佐戸井けん太
湾岸署刑事課強行犯係係長代理、警部補。

中西――小林すすむ
湾岸署刑事課盗犯係係長、警部補。

第8話あらすじ(ネタバレあり)

男性がナイフで刺されているとの110番通報があり、現場へ急行する青島と真下。
すでに鑑識や機捜が現場を調べているので、青島は近くにいる刑事風の男に声をかけた。
男は新聞記者。彼らのほうが情報が早い。事件概要を知る。
容疑者は異常な刺され方をして殺された。

その頃、すみれは空き巣の被害女性を連れて戻る。
女性はまだ子供で、父親と暮らしているが、海外出張中で彼女一人きりなのだと話す。

湾岸署に特別捜査本部ができる。
だが室井も現れず、本店の捜査員も少ない。どこか様子がおかしい。
捜査会議が始まり、和久が容疑者らしき男を発見。クボタミノル、妻子持ちの巨漢だと話していると、室井が遅れて現れた。
その後に続いて、3人の若者がパソコンを抱えて入ってくる。
彼らは、科捜研のプロファイリングチームだという。

さっそく今回の事件の犯人像を伝える。
犯人は、10代後半から20代前半、体力ない男。白昼に殺害したということは、注目願望の強い人間。ストレスに弱い。だから少食で、小柄だと分析した。
和久が調べた容疑者と真逆の人物像だ。

和久の捜査報告は無視され、プロファイリングチームの犯人を追うことに。
だが和久は激怒。若者に、それは当たるのかと突っかかる。
「足使わねぇで学問勉強しても犯人は出てこないんだよ!」
「出るんだよ、今は」
「なら、刑事は何をするんだ?」
「ぼくらが出したデータの裏付けやればいいんだよ。刑事が捜査する時代なんてとっくに終わったよ」
和久は憤然として出ていった。

怒っている和久を慰める一同。
真下が、和久の後輩が殺された事件も彼らにプロファイリングしてもらったらと軽口を叩くと、胸ぐらをつかんで激怒する。
青島が、あいつらを使えば腰痛も少しは楽になるかもとなだめたがダメだ。
捜査を降りる、といって聞かない。本当に有給休暇を申し出て帰ってしまう。
追いかける青島。
「科学捜査優先するなら、俺はいらないだろ。退職の日に来るわ」
と、2ヶ月後の定年退職の日に来ると寂しく去っていった。

プロファイリングチームの補佐をすることになった青島。
現場を見に行こうと誘うが、パソコンにデータがあるからと断られる。
「データは嘘つかないよ」
「データは信用するけど、データに振り回れちゃね」と青島が苦言。
「ぼくらは使いこなせるから。刑事なんかいらなくなるよ、いずれ」
「……」

空き巣被害の少女の面倒を見ているすみれ。
しかし捜査へ行かなければいけない。
そこへ雪乃がやって来た。彼女に少女の面倒を見てもらう。

青島は新聞記者から情報をもらおうとする。
すると、和久が一人で朝から聞き込みしていたと知る。

湾岸署の受付に、和久がやってくる。そしてメモを青島に渡してくれと頼んだ。
メモを受け取った青島。
それは和久が足で調べた事件の捜査資料だった。もう一度検討してほしい、とあった。

捜査会議で、本庁の刑事がプロファイリングの犯人像に近い人物を見つけたと報告。
「そいつが犯人だよ」とプロファイラー。
だが室井が、「和久刑事の意見は?」と尋ねた。
青島がメモの男、クボタミノルを報告する。
鼻で笑うプロファイリングチーム。
葛藤する中、室井は、プロファイリングで出た容疑者とクボタミノルに任意同行をかける。
「クボタに殺しはできない。窃盗がいいとこだね」と笑うプロファイラー。

クボタを取り調べる青島。
挙動不審のクボタ。そこへ和久がやってくる。
くすくす笑うプロファイリングチーム。
和久が代わって取り調べると、すぐに落ちた。
しかしクボタが自供したのは、空き巣だった。プロファイリングチームの読み通り…。
すみれが追っている事件の犯人だった。
和久のプライドはズタズタになり、肩を落とす。

そしてプロファイリングチームが犯人と認めた男が連行される。
容疑者の心拍を取りながら、取り調べを開始。
人を刺しましたかの質問に、動揺して機械が反応する。
「君はすぐカッとなる性格だ。見知らぬ人にナイフで刺すことによって」と説明していると、男はカッとなって立ち上がり、プロファイラーのパソコンで殴りかかった。
すかさず青島が割って入り、自供をさせた。
複雑な心境の和久。

真下がプロファイリングチームに皮肉を言う。
「カッとしやすい性格って分析してたんだろ。なら、気をつけろよ」
「パソコンも凶器になるってデータに入れとかなきゃ」と怪我したプロファイラー。
「その前に、刑事も必要だって入れとけ」と魚住。
プロファイリングチームは少し苦々しい顔で去っていった。

海外から被害少女の父親が帰ってきた。
安心した様子の少女。
雪乃が最後まで付き添い、「もうひとりになんかしないでください」と父親にいう。
そして、すみれに、「警察官になるにはどうしたいいの?」と尋ねた。
「よしなって」と、笑うすみれだった。

夜、また事件が起きた。
まだ落ち込んでいる和久。みんなが「和久さん、行きますよ」と声をかけるが無反応。
青島が近づいて、
「事件に休暇なんてねえ……なんてな」と笑いを誘う。すると、
「おめぇら、俺がいなくちゃ何もできないのか!」と、コートを取って捜査へ向かった。

感想とシナリオ分析

古き良き時代の捜査と最新の科学捜査。
和久と若者3人の対比をうまく見せながら、古き良きものがすべてダメなのではなく、最新がすべて良いわけではない、と表現していてよかったです。

犯人を特定し追い詰めるところまでは、科学は確実にアナログの刑事より優れている。
けれど、対人になれば、やはり刑事の出番が必要。
犯人の落とし方に、和久の方法を青島が使ったのは、とてもいいアイデアでした。
どちらも否定せず、うまい引き分けに話を落とし込んでいました。

そしてラストは、科学の波がこれからどんどん捜査方法として押し寄せてくることを予見し、室井は少し悲観しているが、青島がうまくやっていくと覚悟しているところはいいですね。
彼の中で、犯人検挙が一番の目的。それが刑事の本分だと理解している。逮捕のためなら、古いも新しいもなく、どんな手法でもかまわないのだ。
けれど、最後は刑事が必要だと信じている。
そんなことを教えてくれたドラマでした。これを見て、勇気をもらった警察官や警察官志望者は多かったのではないでしょうか。作者がいいメッセージを込めるのもドラマの魅力です。

素晴らしかったセリフ

科学捜査が役立ち、事件は無事に解決したが複雑な心境の室井。
「科学捜査はこれからも入ってくるぞ」
「これからは科学と手を組むべきだとおもいます」と青島。
意外な返答で驚いていると、

「ただ、俺たちは頭や機械だけでなんか捜査しません。絶対に。所轄には所轄のやり方があるんです」

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