サスペンス

「踊る大捜査線」第7話 ネタバレ感想 | 1997年・冬ドラマ

踊る大捜査線

前回、青島は雪乃を本庁へ引っ張られないようにするため、芝居を打った。
それで48時間、湾岸署で拘留できることになった。
和久「誰か時間取ってやれ」
すみれ「5時32分」
和久やすみれは青島の実直さに感化されているから、協力した。
胸熱でしたね!

青島が来る前の湾岸署と、青島が来た後の湾岸署は違う。
たった一人の信念を持った熱い人間の登場がそうさせた。
彼によって、眠っていた信念が呼び覚まされ、もう一度警察を信じたくなったのかもしれない。
面白いドラマは、主人公が成長することと同時に、その周りも変化し成長が見られることです。

「踊る大捜査線」第7話の感想と脚本を分析していきます。

「踊る大捜査線」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

青島俊作――織田裕二
湾岸署刑事課強行犯係、巡査部長。脱サラ刑事。
コンピュータ会社の営業マンから警察官へ転職。練馬署地域課勤務を経て、湾岸署刑事課に勤務…

恩田すみれ――深津絵里
湾岸署刑事課盗犯係、巡査部長。
警視庁総務部婦人留置係から湾岸署盗犯係へ…

室井慎次――柳葉敏郎
警視庁刑事部捜査一課管理官、警視。
担当管理官として湾岸署にやってくる…

和久平八郎――いかりや長介
湾岸署刑事課強行犯係、巡査長。
八王子署刑事課勤務の際、同僚が目の前で殺害される過去がある。定年間近の刑事…

真下正義――ユースケ・サンタマリア
湾岸署刑事課強行犯係、警部補。
東大卒のキャリア組。湾岸署に研修として配置。警部の昇任試験の勉強中…

柏木雪乃――水野美紀
一般市民。日本帰国直後、父親が殺害される…

神田――北村総一朗
湾岸署署長、警視正。

秋山――斉藤暁
湾岸署副署長、警視。

袴田健吾――小野武彦
湾岸署刑事課課長、警部。

魚住二郎――佐戸井けん太
湾岸署刑事課強行犯係係長代理、警部補。

中西――小林すすむ
湾岸署刑事課盗犯係係長、警部補。

第7話あらすじ(ネタバレあり)

雪乃を48時間、湾岸署で拘留できることになった。
協力した和久やすみれだけでなく、真下も裁判所から速やかに逮捕状が取れるよう手を回す。
一倉にせっつかれた室井は、雪乃をすぐに送検し、身柄を本庁へ寄こせと署長らにいう。
だがもう遅いから明日にしてくれと署長らは断る。

青島と和久は、本庁が探してる岩瀬を見つけるため夜通し捜査。
しかし本庁刑事も動いている。
和久「本店と同じ捜査したって、負けるに決まってる。支店には支店のやり方があんだ」
青島「支店のやり方?」
和久「足を使うんだ」

六本木へ向かう和久についていく。
書店に出向いて、魚の写真集を手に入れる。
そして流行っていないレストランに出向き、地下へずんずん進む。
と、そこは裏カジノになっていた。
そのオーナーと懇意の和久。青島を紹介した。

オーナーは裏社会に精通している。岩瀬について尋ねた。
どうやら知っているようだ。青島が前のめりで、刑事の口調で訊く。
「どこにいる? 教えろ」
オーナーはただ笑みを浮かべる。すると和久が先ほど購入した魚の写真集を渡した。
「女だ。あいつを引っ張りたきゃ女だ」とオーナー。

そして朝が来た。
拘留期限 残り32時間−−
青島と和久は本庁の刑事につけられていた。
だが和久の機転で、青島はうまくまいた。

室井と一倉が送検しろと迫るが、取り調べ中だと突っぱねる真下とすみれ。
真下はほとんど雪乃と世間話をしている。時間稼ぎのためだ。
一倉は怒り、室井に突っかかる。
「所轄が本庁の足を引っ張っていいと思ってるのか?」
「お互い様だろ」
「おい、室井。お前、どっちの味方だ」
「……警察の味方だ」と室井。
「本庁じゃ、お前も所詮使われる身なんだ。なら、お前も下はコマとして扱え」
「……」

青島は厚生省の大河内参事に会う。
そして岩瀬の4人の恋人の情報を得た。
規則違反だが、和久に恩返しがしたいと大河内。和久に言われた言葉が今も忘れらない。
「正しいことをしたければ、偉くなれって」

取り調べが終わり、女性留置場で夕食をとる雪乃。
そこへ青島がやってくる。自分のお守りを渡した。
岩瀬の女性関係を雪乃に教えると、少しショックを受ける。が、予感はしていた様子。
雪乃が心当たりのある女性の名前を次々と挙げる中に、墨田綾子だけは大河内からもらったリストにいなかった。

墨田綾子は貿易会社に勤めていた。
青島は翌朝、営業マンに扮して会社に飛び込む。そして墨田綾子に声をかける。
岩瀬から婚約指輪を選んでもらうよう頼まれたと嘘をつくと、驚く墨田。何かを察して急いで会社を後にする。
その後をつける青島。

拘留期限間残り2時間35分。
ホテルへ入っていく墨田綾子。
青島は和久に報告する。
「俺が行くまで手を出すな。いいか、青島、逮捕の時が一番危険なんだからな」と、湾岸署を飛び出した。

一倉が強引に雪乃を引っ張ろうとする。立ちはだかる真下。
「警部より下は捜査、取り調べの決定権を持ってない」と一倉。
真下は一枚の紙を見せる。
「本日付で、警部に昇進しました」
拍手するすみれ。

青島と和久が、岩瀬が泊まる部屋へ向かう。
そして室内へ入る。
すると岩瀬がナイフを見せた。
和久は止めたが、青島は岩瀬に突進した。

拘留期限が切れた。雪乃を引っ張る一倉。
しかしボロボロになった青島と和久が、岩瀬を捕まえて戻ってきた。
「室井さん。本店にお渡しします」
岩瀬は去り際、雪乃に言った。
「お前は俺のことなんか何も知らない。お前にクスリのことなんか話してない。関係ないだろ!」
雪乃を事件に巻き込ませないために、青島が裏で言いくるめたことだったのだろうか。不敵に笑い連行される岩瀬だった。
雪乃は送検見送りになった。
それを見届ける署員たちはみんな笑顔だ。
そして黙って去ろうとする室井に、雪乃が感謝の言葉を伝えると、彼の険しい表情が少し和らいだ。

始末書を書く青島。和久に大河内から聞いた言葉の意味を尋ねる。
和久「お前も正しいことしたいか?」
青島「はい。したいです」
和久「自分のやりたいようにやりてぇか?」
青島「はい。自分の信じるままに」
和久「なら、偉くなって、警視庁行け」

感想とシナリオ分析

主人公には必ず良きメンターが現れます。
そして最後は、主人公の大きな成長のためにメンターはいなくなる。

青島のメンターは、和久です。
彼はキーワード的なセリフで青島に刑事の真髄のような哲学を伝える。
青島は聞いた時、いつもうまく飲み込めないが、メンターの言葉は彼の胸に刻まれる。

青島には信念がある。それを曲げてほしくない。
しかし平の刑事でいる限り、青島の信念はいつか打ち砕かれるかもしれないと和久はわかっている。
なぜなら自分が青島と似たような信念の持ち主だったからだろう。
信念を貫いてほしいから、偉くなってくれと言ったんですね。

それでも青島の信念は、すでに周りの刑事たちに影響を与えています。
室井、すみれ、真下、魚住たちに。そして刑事ではない、雪乃にも伝わっています。
青島が偉くならなくても、信念が広がれば正しいことはできるかもしれない。
そんな期待を感じさせることは、ドラマとして成功なんです。

けれど、和久はさらにその先を見越して、伝えようとしたんだと思います。
自分の信念を他人に託すことはできない。
信念を貫きたければ、自分が偉くなって、やりたいようにやるしかないと。

メンターの言葉は深いですね。
そしていつか、その言葉に青島が気づき、出世を目指すことになるのでしょう。

素晴らしかったセリフ

30年平の刑事をやってきた和久の結論。

「正しいことをしたければ、偉くなれ」

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