サスペンス

「踊る大捜査線」第6話 ネタバレ感想 | 1997年・冬ドラマ

踊る大捜査線

刑事モノと相性がよくないと思うのは、主人公の恋模様です。
なんなら主人公の私生活も見せる必要がないと感じます。
コロンボもよくセリフで、「うちのカミさんが」と話してますが、奥さんは登場しません。
登場させると、身内が狙われるというのを必ずやりたがり、その結末もやや盛り上がりに欠けることが多い印象です。

踊るも当初は、青島と雪乃との恋愛ものを考えたようですが、これはないなということで6話のようなお話になったそうです。
それでも今回の青島は刑事として、男してかっこいい回になっていると思います。

「踊る大捜査線」第6話の感想と脚本を分析していきます。

「踊る大捜査線」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

青島俊作――織田裕二
湾岸署刑事課強行犯係、巡査部長。脱サラ刑事。
コンピュータ会社の営業マンから警察官へ転職。練馬署地域課勤務を経て、湾岸署刑事課に勤務…

恩田すみれ――深津絵里
湾岸署刑事課盗犯係、巡査部長。
警視庁総務部婦人留置係から湾岸署盗犯係へ…

室井慎次――柳葉敏郎
警視庁刑事部捜査一課管理官、警視。
担当管理官として湾岸署にやってくる…

和久平八郎――いかりや長介
湾岸署刑事課強行犯係、巡査長。
八王子署刑事課勤務の際、同僚が目の前で殺害される過去がある。定年間近の刑事…

真下正義――ユースケ・サンタマリア
湾岸署刑事課強行犯係、警部補。
東大卒のキャリア組。湾岸署に研修として配置。警部の昇任試験の勉強中…

柏木雪乃――水野美紀
一般市民。日本帰国直後、父親が殺害される…

神田――北村総一朗
湾岸署署長、警視正。

秋山――斉藤暁
湾岸署副署長、警視。

袴田健吾――小野武彦
湾岸署刑事課課長、警部。

魚住二郎――佐戸井けん太
湾岸署刑事課強行犯係係長代理、警部補。

中西――小林すすむ
湾岸署刑事課盗犯係係長、警部補。

第6話あらすじ(ネタバレあり)

生活安全課に麻薬の取り締まりの応援を頼まれた青島と和久。
張り込みは腰に悪いと和久が難色を示す。
だが張り込み相手が、若い美女だとわかると俄然やる気になる二人。

さっそく張り込み資材の貸し出しを警務課に依頼。
アパートを借りることを内張りという。青島は初めて知った。

夜、電気を消し、張り込み先のアパートから向かいのマンションを望遠鏡で監視。
だが深夜になっても張り込み相手は帰宅しない。
時間を持て余す青島と和久。青島は、6年前に和久の同僚刑事が殺された事件の話を始めた。
犯人はまだ捕まっていない。和久の苦い思い出で、しこりとなっていた。
「犯人の居場所がわかって、俺が行くまで待ってろって言ったのに……一人で犯人の部屋に乗り込みやがった」
それで犯人に刺されてしまったという。同僚刑事は青島と同い年だった。
「俺の責任だ」と和久。
「どうして?」と青島。
「逮捕の瞬間が一番危険なんだときちんと教えなかった……俺が殺したようなもんだ……」

すると、監視していたマンションの部屋に明かりがついた。女が帰宅したのだ。
望遠鏡を覗く二人。「!!」
女は事前に聞かされていた人物ではない。見たことがある顔……柏木雪乃だった。
青島は戸惑いながら、望遠カメラで写真を撮った。

翌朝、青島は雪乃の後をつける。
ところが隣人に声をかけられ、雪乃が振り返ってしまい、まさかの接触。
仕方ないので、雪乃の留学時代の元カレの話をして探りを入れる。
もう彼とは関係ないというが、青島は以前、二人が揉めているところを見て知っていた。

その夜、張り込み先に生活安全課の刑事がやってきて、雪乃の情報を伝える。
留学先で大麻パーティーに参加して検挙されていた。
さらにLAと日本を年に何度も往復している。運び屋の典型的パターンだという。
青島は絶句。
「青島、仕事に余計な感情入れんな。面倒くせえからよ」と和久。
「……」

翌朝、すみれから連絡。室井が青島に話したいことがあるらしい。
すみれと張り込みを交代し、待ち合わせ場所へ赴くと、ヘリコプターでやってくる室井。
室井は青島に、新宿署管内で起きた会社員殺人事件について意見を聞きたいという。
青島の前職と被害者の仕事が似ているから何かヒントがほしい様子。
被害者は、2回足を運んで5000万の機械契約を結ぶ優秀な営業マンだと聞いて、青島は元営業マンとしてそれはありえないと言い切る。
最低でも商談に入るまで5回はかかる。6回目からようやく商談が始まるのが営業の基本。
2回というのはバックマージンとか裏取引があったのではないか。

青島と別れた室井に、薬物対策課の一倉から連絡が入る。
一倉の部下が追っている事件で、ヘマをして被疑者を取り逃がした。それが湾岸署とからんでいるので力を貸してほしいという。
「……」の室井。

雪乃が暮らすマンションは本来、矢沢奈津子が借りている。今回の監視相手だ。
だが一度も家に帰ってこない。
そこへ雪乃宛に小包が海外から届く。
青島が戻ると、小包の中身を確認するため生活安全課とすみれが家宅捜索へ向かう。
小包には大麻が入っていて、雪乃は署に連行されてしまう。
雪乃に助けを求められるが、目を合わせられない青島。
しかし取り調べを始める寸前で、自分に5分だけ話をさせてほしいと頼んだ。

小包のこと、送り主に心当たりがないか尋ねるが、雪乃は困り顔。矢沢奈津子とも連絡が取れない。
「なんで去年、日本とロスを何度も往復したの?」と青島。
「父に…相談したいことあって…」と雪乃。
「ロスで検挙されてるだろ!」
「私は関係ない!!」
「ロスの時に付き合ってた彼と関係あるんじゃないの?」
するとようやく雪乃が元カレの話をした。彼が売人グループのリーダーだと知ったのは付き合った後。彼に運び屋を頼まれたので、日本に逃げた。父親にそのことを相談しようとしていた。
青島は信じたいが、やや懐疑的だ。
すると和久が口を挟む。
「本当に大麻とは関係ないのか? 亡くなったお父さんに誓えるか?」
「はい」とまっすぐ見つめて答えた。
和久と青島は彼女を信じた。

ところがそこへ室井と一緒に現れた薬物対策課の一倉。
雪乃の元カレの岩瀬を追っている。本庁で事情聴取をするから雪乃を引き渡せという。
青島が行かせないように歯向かう。
「彼女はお父さんが殺された事件で、事情聴取のとき辛い目にあってるんだ」
だが一倉は話を聞かず、雪乃を売人仲間とにらんで扱う。
「警察に協力するのは市民の義務だ」
と、腕を引っ張って連行しようとした。
だが青島が刺々しい言い草で雪乃を呼び止める。
「柏木雪乃! やっぱ、おまえそういう女だったんだ。ヤク中なんだろ、おまえ!」
「(ショック)」
「信じなくてよかった。おまえみたいな軽薄でバカな女」
悲しい怒りの表情を浮かべて、雪乃は青島の頬を叩いた。

すると青島は室井や同僚たちに振り返り、ニヤケ顔で、
「みなさん、見ましたね? 公務執行妨害で逮捕する」と雪乃を逮捕。
そうすれば48時間、湾岸署で勾留ができることになる。
青島は芝居を打って、雪乃を守ったのだ。
「どうして……?」と雪乃。
「力になるって言ったろ」という青島だった。

感想とシナリオ分析

話の中心は雪乃になるのですが、青島が葛藤しながらも彼女を守る姿はかっこよかったです。
ラストの自分が犠牲となり、公務執行妨害を狙って煽るシーンはとても素晴らしいアイデアでしたね。

前半もコメディの具合が絶妙で、とてもうまい脚本だと思います。
張り込みという地味で退屈だけど重要なシーンの前に、まず大家が「湾岸署の方、お待ちしてました!」と大声で叫んじゃう。
大家も張り込みでアパートを貸すことをどこか楽しんでるのは、ちょっとわかる気がします。

さらに張り込み中に、隣人のおせっかいおばさんが何度もやってくる。
緊張と緩和の最たるもの。これはもうコントです。
挙げ句に、青島が監視対象者の雪乃の後をつけていると、隣人に話しかけられてバレるとか最高です。
和久さんの「だめだこりゃ~」までが長いコントでした。

刑事モノはどうしても暗く重くなりがちなので、前半に少し遊ぶくらいの軽さがあると視聴者には見やすい。
ほんと、踊るはその原型を作った素晴らしいドラマだと改めて感じました。

素晴らしかったセリフ

室井に今追ってる事件は何だと聞かれ、麻薬がらみの事件で、雪乃が関わっているかもしれないというと、室井は?顔で、自分が知ってる人間かと尋ねた。
呆れる青島。事件をいくつも抱えているから仕方がないという室井に対する青島のセリフ。

「所轄は事件を一個一個じっくりやらせてもらえますから。刑事はモノを扱ってる商売じゃない。扱ってるのは、人間だから」

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