ラブストーリー

「恋ノチカラ」第7話 ネタバレ感想 | 2002年・冬ドラマ

恋ノチカラ

前回、貫井企画は緊急事態に見舞われた。
大事なイベントの失敗が貫井の脳裏をよぎり、彼本来のらしさを捨て、クオリティを下げようとした。
ところが籐子や壮吾のまっすぐな思いに気付かされ、寸前で思いとどまる。

イベントは無事に成功する。その一方で、プライベートの貫井と春菜の恋模様に早くも暗雲が。
籐子の存在が大きくなっていた。
仕事にプライベート、どちらも今後の展開に目が離せません。

「恋ノチカラ」第7話の感想と脚本を分析していきます。

「恋ノチカラ」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

本宮籐子(30)――深津絵里
「貫井企画」に勤める独身OL。
酔った勢いで貫井とキスをし、自分の思いに気づく。だが、貫井の恋人は同居人で性格のいい春菜。このまま思いを隠して、貫井企画にいられるか…

貫井功太郎(35)――堤真一
壮吾と新会社「貫井企画」を設立した人気クリエイター。
吉武が加わりクリエイティブの仕事に専念、春菜とも付き合う。が、籐子とキスをしてしまい…

木村壮吾(25)――坂口憲二
憧れていた貫井に誘われ、共同で貫井企画を立ち上げる。
悩みは、人妻の香里との今後…

倉持春菜(23)――矢田亜希子
籐子が昔、兄・勇祐と付き合っていた縁で、籐子とルームシェアをしている。
大好きな貫井と恋人になったが…

吉武宣夫(40)――西村雅彦
ユニバーサル広告社をやめて、敵対していた「貫井企画」の営業担当になる。
だが貫井企画はギリギリの経営。必死に仕事をとるが…

寺石香里(28)――久我陽子
壮吾と同じ金沢出身で、彼が高校時代のアルバイト先で、一目ぼれした女性。
既婚者だが、壮吾と度々連絡を取り合う仲で…

須田真季(30)――猫背椿
籐子の飲み友達で、ユニバーサル広告社の元同僚。

第7話あらすじ(ネタバレあり)

貫井から給料が配られた籐子ら。みんな渋い顔…。
以前の会社と比べ、だいぶ給料が下がったようだが、不満を押し殺す一同。

壮吾は籐子をランチに誘い、香里の気持ちがよくわからないと相談。
戻ると、香里が事務所で待っている。驚き、戸惑う壮吾。
なぜか吉武が饒舌になって話をリードし出す。
変な雰囲気になり、香里が逃げるように去っていく。
と、壮吾が事務所を飛び出して追いかける。

就業後、吉武がこのままでは貫井企画は潰れるという。だが年間契約を結べそうな会社がある。
それには貫井も先方の社長との接待に同席する必要がある。苦手だろうが、このチャンスを逃すと後がないと言った。

翌日、上機嫌な壮吾。香里と付き合うことを決めたという。
彼女を養うと気合の入った壮吾に、貫井は自分の仕事を渡す。
そして年間契約を取るため、接待へ向かう貫井ら。
下品な社長が登場。貫井に広告をやってもらえれば箔が付くからなんでもいい。ただし、会社の広告イメージに自分の孫を使ってくれと頼む。
貫井は渋い顔。だが社長の独断で、年間契約が決まった。

事務所に戻り、貫井は困り果てる。吉武にうまく断ってくださいと言って逃げ出す。
だが吉武は、会社存続のためにやるしかないと説得。籐子は見守る。
吉武「貫井企画が潰れてもいいのか?」
貫井「やむを得ません。それで潰れるなら本望です」
吉武「お前一人でやってるつもりか? この事務所はお前一人のものとでも思ってるのか? お前は俺や木村、本宮の人生を背負ってんだ。独立するっていうのはそれだけの責任を背負うってことだ」
籐子「……」
吉武「ユニバーサルを出て自由になったつもりでいるかもしれないが、大きな組織に所属していて守られる自由もあるんだ」
貫井「……」
吉武「嫌だから辞めるなんて理屈がどこでも通用すると思うな!」
そこへ何も知らない壮吾が戻り、年間契約はどうなったか尋ねた。
貫井は「…うん。無事に契約成立だ」と言った。

その夜、少し安堵した籐子は、家で春菜と真季とすき焼きを囲む。
そして話題は、一途な壮吾の話になった。籐子はうらやましいという。
「歳とると、いろんなことを考えて自分で自分にブレーキかけて、無意識に気持ちをコントロールしちゃったりするじゃない?」
「バカね。まっすぐ過ぎると折れた時の痛手が大きいのよ。だからみんな防御の仕方を覚えるんじゃない!」と真季。
「……」の春菜。

まったく作業が進まない貫井。
籐子に、営業の苦労を初めて知ったと話す。もともとはクリエイター志望だったのに吉武はすごい人だ。
「自分の希望とは違う仕事なのに、気持ちを切り替えて結果を出せるなんてすげーよな…」
そして、再び接待へ出向く。
社長に広告を見せると、孫の写真が小さいとダメ出し。さらに雑誌で見つけた広告通りにしてほしいと言われる。
屈辱を味わう貫井。

それでも事務所に戻り、貫井は気持ちを押し殺して作業するが、うまくできない。
そんな苦しむ様子に気づく籐子。
そして誰もいなくなった後、籐子に作った広告を見てほしいと頼む貫井。
「どっちがいい?」
籐子は言葉を濁しながら選ぼうとしたがやめた。
「どちらも良くないと思います。どちらも貫井さんらしさがないと思います」
「だよな……」

壮吾は仕事も順調で、香里に一直線。
今の仕事が終わったら、話したいことがあると真剣に伝える。
だがどうも香里は腰が引けている様子。

翌日、貫井は妥協し、籐子にどちらもよくないと言われた広告を提出。
吉武はそれを持って先方へ向かった。籐子は後を追いかける。
雑誌に載っていた広告と同じだ。貫井にパクったものを出させるのか。
それがクライアントの要望だという吉武。会社のために嫌な仕事も受けなければいけない。
その考えに反対する籐子。それでは貫井企画の意味がない。貫井がやる意味がない。吉武もこんな仕事をするために貫井企画に入ったわけじゃないはずだ。
籐子は熱く説得を試みたが、吉武の気持ちは変わらず、先方との接待へ向かった。

壮吾は仕事を終えて、香里が泊まるホテルへ直行する。
だが香里は夫と深刻な話をしている。電話を切ると、
「帰らなきゃ。あの人がやり直したいって。だから帰らなきゃ」
ショックを受ける壮吾。無理やり笑顔を作り、嘘をつく。
「マジで旦那と別れるとか言い出したらどうしようかと思ってたんだよね。俺まだ遊びたいし。そういう重いの苦手だから……」
そして泣きそうになるのを堪え、背を向けながら「早く行きなよ……」

吉武は再び広告のダメ出しを食らっていた。理由は、雑誌にあった広告とまったく同じにしろというのだ。さすがに苦い顔の吉武。「作り手の気持ちとしましては……」と食い下がる。
「作り手の気持ちなんて興味ないよ。孫の写真の位置を変えるだけなんだから君がやれ」と社長。
「クリエイターをなんだと思ってんだ!」と吉武は叫んで仕事を断った。

その足で、バーで貫井と会い、仕事は断ったと伝える。
「!……どうして?」
「貫井功太郎のやるべき仕事じゃないと俺が判断したからだよ」
戸惑う貫井。そして吉武は、籐子の話を始めた。
「彼女のおかげで、俺は大切なものに気がついた。案外拾い物だったのかもしれないな」
「えっ?」と貫井。

やけ酒をする壮吾に付き合う籐子。
壮吾は香里に利用されたけど、思い出されるのは彼女といた幸せな日々。
「彼女と一緒にいるときは何をしても楽しかった」と涙。「でももう会えないんだよな……」
そんな壮吾を慰める籐子だった。

感想とシナリオ分析

7話や8話は神回になりやすい。今回の話とても最高でした。

クリエイティブに憧れる敏腕営業マンの吉武。
クリエイティブの才能もなく、営業力などの取り柄もない籐子。
貫井への思いと会社存続をめぐって、互いの考えをぶつけ合うところはグッとくるシーンでした。
どちらも正しいから心にくる。
職業ものとしてみても、恋愛ものとしても素晴らしかった。

営業マンは仕事をとることが仕事。
しかし会社存続のために、その会社のスペシャルな部分を妥協していいのだろうか。
なんのためにために大会社を辞めて、貫井企画にみんなは集まったのか。
仕事をするのは会社のためか。それとも自分達のためか。

籐子「吉武さんはなんのためにユニバーサルを辞めたんですか? ユニバーサルにいた時と同じ仕事なら、ユニバーサルにいた方がずっといいですよね」
吉武「……」
籐子「私は貫井企画を選びました。それはたぶんここにしかない何かがあると思ったからで……。それがなんなのかまだわからないけど……貫井さんについていけば、きっと見つかるんじゃないかって、そんな気がしてるんです」
吉武「……」
籐子「私、貫井さんの生き方が好きです」

もうこれ、会社の話をしながら、籐子は貫井が大好きという愛の表現ですよね。
もちろん吉武も貫井がクリエイティブの仕事に妥協しないそんな生き方が好き。だから貫井企画にやってきた。でも会社と生活のことを考えると……。

吉武「何もかも貫井のやりたいようにさせろって言うんですか?」
籐子「私は貫井さんだけじゃなくて、木村くんにも、吉武さんにも、みんなにやりたい放題やってほしいです!」
吉武「できるわけがないだろ、そんなこと。クリエイターのわがままが許されるのは、奴らが選ばれた人間だからだ。営業とクリエイターは違うんだよ!」
籐子「違いませんよ! 私からしたら、吉武さんだって十分選ばれた人間です。…なんの取り柄のない私の立場はどうなるんですか……」
吉武「……じゃああなた、貫井の言うように嫌なものは嫌だと言って、営業が務まるとお思いですか?」
籐子「わかりません…。でも貫井さんが必要としてるのは、そういう吉武さんだと思います!」

貫井企画は自分が発揮できる才能を思う存分発揮して、仕事を楽しむことを目指している。
籐子は自分には何もないと言ったが、その才能を発揮させる経営者の才覚がある気がした。
貫井企画に、籐子は欠かせない存在だと視聴者はわかりました。
そして貫井に籐子は必要だと思わせた。

素晴らしかったセリフ

壮吾は香里にフラれた。苦しくて辛い。8年ぶりの思いは何年したら消えるのか、と籐子に聞くと、

「あっという間だよ。忘れたくなくても思い出はどんどん消えてっちゃうよ。だから覚えてるうちは大事にしなよ」

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