ラブストーリー

「恋ノチカラ」第4話 ネタバレ感想 | 2002年・冬ドラマ

恋ノチカラ

前回、貫井企画は、広小路製薬にポスター案を採用され、一歩前進した。
その成功の裏には、籐子のチカラが関係していた。

それを知らない貫井は、春菜にお礼する。宣伝部長の父親に作品を渡してくれたのは春菜だと聞かされていたからだ。
本当は籐子の説得で、彼女の父親は貫井の作品を見た。
しかし貫井を好きな春菜は、籐子のチカラがあったことを知らせず、彼の役に立ったことを喜んだ。

このドラマのメインストーリーは、籐子の成長を見届けること。
彼女が仕事で、社会に認められる存在になること。同時に、所属する貫井企画の成功だ。
一方でサブストーリーも走っている。籐子の恋だ。

3話で、メインの話は一歩前進したが、サブストーリーは一歩後退した。いや実は彼女はまだスタートラインにさえ立てていないのかもしれない。
4話以降、籐子の恋がどんなふうに展開するのか?
不器用な彼女が、メインもサブも勝ち取ることができるのか。籐子の葛藤と変化を楽しみに見ていきたいと思います。

「恋ノチカラ」第4話の感想と脚本を分析していきます。

「恋ノチカラ」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

本宮籐子(30)――深津絵里
零細の「貫井企画」に勤める独身OL。
引き抜かれたはずが人違いで一度は貫井企画を辞めようとしたが、戻ってきた。
だがかつての会社の妨害にあい、貫井企画は資金ショート寸前。なんとか生活のため会社にしがみついているが…

貫井功太郎(35)――堤真一
壮吾と新会社「貫井企画」を設立した人気クリエイター。
だが次々とかつての会社の妨害にあい、仕事も自信も失う。
そんな時、大手の製薬会社の娘、春菜と出会い…

木村壮吾(25)――坂口憲二
憧れていた貫井に誘われ、共同で貫井企画を立ち上げる。
お調子者で女好きだが、仕事に対する姿勢は真面目で、実力もある。
貫井企画に仕事が来るようにあの手この手で営業をかける。

倉持春菜(23)――矢田亜希子
籐子が昔、兄・勇祐と付き合っていた縁で、籐子とルームシェアをしている。
お嬢様育ちであるが、昼は銀行で働き、夜は図書館の司書になるため勉強している。
だが貫井と出会い、恋に落ちる…

吉武宣夫(40)――西村雅彦
ユニバーサル広告社営業部勤務。
クリエイターに敵対心があり、「貫井企画」の営業を妨害しようと企てるが…

寺石香里(28)――久我陽子
壮吾と同じ金沢出身で、彼が高校時代のアルバイト先で、一目ぼれした女性。
既婚者だが、壮吾と度々連絡を取り合う仲で…

須田真季(30)――猫背椿
籐子の飲み友達で、ユニバーサル広告社の元同僚。

第4話あらすじ(ネタバレあり)

貫井企画に、広小路製薬の広告を取られたユニバーサル広告社の吉武は上司に怒られていた。
苦々しい顔の吉武。

その頃、求人広告を出したのに求人が来ないと理不尽なクレームをしに貫井企画へやって来た、楠木文具の社長。
対応を任される籐子は困り果て、代金の受け取りを辞退してしまう。

広小路製薬にやって来た吉武。
考えを変える気はない、と倉持部長。
吉武が知りたいのは、なぜ倉持部長が心変わりすることに至ったのか。貫井が頭を下げたとは到底思えなかった。そして経緯を知る。

また貫井企画にクレームにやってきた楠木文具社長。
広告のせいでひどい目にあったらしいが…。
貫井自ら話を聞く。すると広告を見て求人があり採用したが、そいつが店の金を持ってトンズラしたとクレーム。
さすがに関係ないと貫井は激怒。楠木文具社長を追い返す。

クレーム処理の対応ができない貫井企画。
今までユニバーサルでは営業がそういった処理をしていた。
やっぱりクレーム処理や仕事を取るのも営業担当が必要だと感じる壮吾。
二人の会話を聞きながら、ある人物の顔を思い浮かべている様子の籐子。

ユニバーサルに呼ばれてやってきた籐子。
吉武と出くわす。
そして広小路製薬の仕事を取られた恨み節を聞かされる。
「貫井をこの業界で生きていけないようにしてやる!」
籐子は唖然とするが、疑問を持つ。
「吉武さんは…どうしてそんなに貫井さんにこだわるんですか……?」
憤然として吉武は去った。

貫井企画に戻ると、貫井と壮吾が営業担当を探していた。
そこで籐子は、吉武を推薦する。
絶句する二人。壮吾が大反対。貫井もその望みはないと相手にしないが、籐子は貫井企画に吉武は来ると強気に主張する。
「根拠は?」
「直感です!」

翌日、籐子は吉武をヘッドハンティングする。
だが、吉武は呆れる。
「貫井企画を潰すのはこの私だ。なんで潰すべき相手に力を貸さなきゃいけないんだ!」
と、また激怒して去っていく。

日替わり。再び楠木文具からクレームの電話。
処理せず電話を切るが、しつこく電話が鳴る。
春菜に美術展に誘われた貫井は、その後の店選びを籐子に任せる。
吉武の引き抜きに失敗した罰らしい。ネチネチと籐子をなじり、吉武の悪口を言い始める。
籐子はそれを聞いて、「貫井さんにはわからないんですよ」とボソリ。
「貫井さんが今当たり前にしてることを、どうやってもできない人たちってのがいるんです。自分がしたくてもできないことを目の前で楽しそうにやられたら、誰だって羨ましいと思います。羨ましいと思ってることがまた悔しくて、腹立たしくて……」
籐子が話してることがピンとこない、貫井と壮吾。
「そいつらが持ってないもの、仮に俺が持っていたとしても、それは俺のせいじゃない。俺だって何かを手に入れたり、手に入れたものを守るために必死で努力してるんだ。それは単なる逆恨みだよ」と貫井。
「……貫井さんの言ってることはいつも正しい。でも……世の中の人は貫井さんみたいに正しく考えて、正しく行動できるわけじゃないんです」
「?……」
「吉武さんは貫井さんになりたいんですよ……」
「!?……」

夜、デートを楽しむ貫井と春菜。
春菜は次の映画デートも取りつけてウキウキだが、貫井は仕事をつないでくれたお礼で付き合っていると話してしまう。
すると正直に、春菜は父親が貫井の企画書を読んだのは籐子がしたからだと伝えた。
驚く貫井。春菜は、だからお礼は結構なので映画デートもしてくれなくていいと辞退する。
去っていく春菜を呼び止めて、映画デートへ行こうと誘う貫井。

貫井は吉武と会う。
すぐに険悪なムードになる。
「会社が潰れたって、いいものさえ作っていればまたチャンスが巡ってくるとでも思ってるのか! 甘いんだよ!」と吉武。貫井のその態度が許せない。
「……」
貫井は本音でぶつかってきた相手に本音を伝える。
籐子が吉武を引き抜くと言った時、少しだけ期待した。うちに来てほしいと。貫井は今までの感謝を伝えて去っていった。

日替わり。今日もクレームの電話。コール音が鳴り響く貫井企画。
相当怒っている楠木文具社長。
そこへ来客。いきなり電話をとる。
「はい。営業担当の吉武でございます」
「!!」
クレーム処理を淡々とこなす吉武の姿に、笑顔の籐子と貫井だった。

感想とシナリオ分析

主人公の周りに、仲間が増えていく。
それもいがみ合っていた敵が加わる展開はいつも胸アツです。
貫井企画に、吉武がどうやったら加わるのか。
人の心はそう簡単に変わらない、と頑なで保守的な男がどう落ちるのかが見どころでした。

吉武の設定年齢は40歳。
大企業で出世コースを走り、愛する家族もいる男が、弱小の貫井企画に転職することは大きな決断が必要です。
その決断を後押しするのが誰なのか。

吉武の心を動かしたのは、最大の敵の貫井。
クリエイター志望だったが圧倒的な才能を持つ貫井を前に断念した過去を持つ。
しかし仕事をしていくうち、クリエイターも営業がいなければ仕事はない。
営業の貢献を認めず、クリエイティブという才能だけでのし上がろうとする貫井に敵意を抱いていた。

誰だって、たった一度の人生、自分の力だけで勝負したいと思う。
特に40歳前後は自分の価値が気になる。
見渡せば40歳前後の起業家や投資家なんてわんさかいる。
年齢的にも折り返しで、勝負するなら今しかないと焦る。
それなのに守ることが多すぎて、会社に埋もれたままの40歳前後がほとんどだ。
きっかけさえあれば、自分も変われると信じてるが、そのきっかけはなかなか来ない。
来てもそれが成功への道かは誰にもわからない。

けれど最大の敵、いやライバルが、うちに来てほしいと願っていたこと、営業という仕事ぶりを認め、尊敬してくれていたことを知った時、頑なだった心は氷解した。
「まったく冗談じゃないよ」と、微笑を浮かべた吉武の表情は、少年のように嬉しそうだった。

仕事は、誰かに認められてやる気が出るものです。
そして認められた相手に返したいと思うことが、やりがいや結果にもつながっていく。
自分へのリスペクトがない会社で、多くの時間を割く会社員。
誰かがあなたを必要としてくれる場所を見つけて輝く。それが会社員の本当の幸せなのかもしれません。
仕事をするとは何か、を考えさせられるお話でした。

素晴らしかったセリフ

吉武は貫井企画を潰すというが、貫井は会社はまた作ればいいと応戦。
その態度が吉武を苛つかせ、許せない。お前が嫌いなんだと訴えると、貫井は言った。

「吉武さん……。吉武さんが許せないのは僕じゃないんじゃないですか。あなたが大嫌いなのは、あなた自身ですよ。……だけど、僕はあなたが好きでした」

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