ラブストーリー

「恋ノチカラ」第3話 ネタバレ感想 | 2002年・冬ドラマ

恋ノチカラ

前回、貫井は春菜と出会った。
純朴そうな女性で、おそらく彼を安心させるタイプだ。
女性が苦手な彼が、春菜となら無理なく普通に話せた。

籐子とも、貫井は苦手意識なく、話すことができる。
しかしそれは、彼が籐子を女性として見ていないからだ。

そのことに籐子も気づいている。だからこそ、ふと沸き立つ恋慕を彼女は押し殺す。
その葛藤が見え隠れすると、籐子のキャラクターが可愛らしく見える。

キラキラと突っ走る20代の恋より、
分をわきまえる遠慮した30代の恋のほうが、実は歯がゆくて面白い。

しかしほとんどの男性諸君は、春菜のような女性に惹かれてしまう。
何でも言うことを聞きそうでコントロールしやすく、男のプライドを傷つけない感じが好かれる。
女性も、ああいう女が男って好きよね、とわかっている。
そしてああいう女を好きな男を女は嫌う。
そうすると女性視聴者は、ないがしろにされる籐子を応援したくなる。
つまり彼女に共感し、感情移入して見ることになる。

ただこのドラマの憎らしいところが、恋敵となる春菜の性格がいいこと。
キャラクターの配置が絶妙で素晴らしいドラマです。
貫井企画の今後も気になりますが、貫井をめぐる恋の行方にも目が離せません。

「恋ノチカラ」第3話の感想と脚本を分析していきます。

「恋ノチカラ」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

本宮籐子(30)――深津絵里
零細の「貫井企画」に勤める独身OL。
引き抜かれたはずが人違いで一度は貫井企画を辞めようとしたが、戻ってきた。
だがかつての会社の妨害にあい、貫井企画は資金ショート寸前。なんとか生活のため会社にしがみついているが…

貫井功太郎(35)――堤真一
壮吾と新会社「貫井企画」を設立した人気クリエイター。
だが次々とかつての会社の妨害にあい、仕事も自信も失う。
そんな時、大手の製薬会社の娘、春菜と出会い…

木村壮吾(25)――坂口憲二
憧れていた貫井に誘われ、共同で貫井企画を立ち上げる。
お調子者で女好きだが、仕事に対する姿勢は真面目で、実力もある。
貫井企画に仕事が来るようにあの手この手で営業をかける。

倉持春菜(23)――矢田亜希子
籐子が昔、兄・勇祐と付き合っていた縁で、籐子とルームシェアをしている。
お嬢様育ちであるが、昼は銀行で働き、夜は図書館の司書になるため勉強している。
だが貫井と出会い、恋に落ちる…

吉武宣夫(40)――西村雅彦
ユニバーサル広告社営業部勤務。
クリエイターに敵対心があり、「貫井企画」の営業を妨害しようと企てるが…

寺石香里(28)――久我陽子
壮吾同じ金沢出身で、彼が高校時代のアルバイト先で、一目ぼれした女性。
既婚者だが、壮吾と度々連絡を取り合う仲で…

須田真季(30)――猫背椿
籐子の飲み友達で、ユニバーサル広告社の元同僚。

第3話あらすじ(ネタバレあり)

貫井たちと飲み会を終え、帰ってきた籐子と春菜。
春菜は「貫井さんにもまた会えたし」と、貫井に好印象を抱いている様子。
籐子はその印象は間違いだ、と否定。貫井を「最低なヤツ」と言った。
なぜなら春菜の父親が大手製薬会社の宣伝部長でコネ作りのために近づいた、
と言いかけてやめる籐子。
「とにかく、やめときな!」
「今度事務所に遊びに行っていいですか?」と春菜は意に介さず、恋に一直線の模様。

一方の貫井企画は作戦通り、さっそく春菜に頼んで父親経由で仕事を取れないかと話が進む。
しかし籐子は仲介を断った。
すると、男女関係に鋭い壮吾が気づく。
春菜が貫井に運命を感じて好きになったんじゃないか。本当のことを知らせて、彼女をがっかりさせたくないんだね、と。
籐子は思わずうつむいた。

結局、貫井企画は作戦を断念し、営業活動に励むがうまくいかない。
そこへ以前受注した楠木文具から再注文が入る。

夜、ワインとチョコドーナツを食べる籐子に対し、
籐子が通販で買って放置していた美顔器で女磨きに余念がない春菜。
春菜は改まった感じで、貫井は独身なのかと尋ねる。
籐子は、貫井に彼女なんてできない、仕事人間だからやめたほうがいいと訴えるが、
「わたし、仕事できる人好きです!」と聞く耳を持たない春菜だった。

そして2回目の食事会が開かれた。
春菜の態度は誰が見ても貫井に惚れているとわかるのだが、当の彼は鈍感で気づかない。
貫井の口から春菜を幻滅させるような発言が飛び出すたび、籐子と壮吾が話をそらしてやり過ごした。

やがて話は、籐子の元カレの話になる。つまり春菜の兄のことだ。
なぜ二人は別れたのかと壮吾が尋ねた。
籐子は彼の海外転勤を機にプロポーズを受けた。
だがまだ25歳で仕事もこれからだった彼女は断り、3年の遠距離恋愛をした。
籐子は仕事に限界を感じ、プロポーズを受けようと思ったが、好きな人ができたと言われ破局に至ったという。
明るく話す籐子だが、神妙になる春菜。
その話を聞き、人妻と遠距離恋愛をする壮吾もしんみりする。「距離には勝てないか…」

すると籐子に、貫井が呆れるように言う。
「当然の成り行きなんじゃないか。誰だって自分の限界を感じてる女に魅力を感じないだろ。仕事が辛くなったから、男に養ってもらおうなんて、結婚を逃げ道にされたらたまんないだろうな」
籐子は自虐的に、「あーあ。素直に25の時、結婚しておけばよかったなー。後悔先に立たずってやつだね」
「同じだよ」
「え?」
「結婚してても同じだよ。後悔する奴はどんな答えを選んでも結局後悔するんだ」

場の雰囲気が悪くなってしまった。
そこへ春菜の友人が、壮吾と連絡が途絶えたことに怒り、文句を言いに来た。
そして春菜の父親に近づくために、この人たちは優しくしてるだけで、自分も春菜を紹介するために利用されたと暴露する。
凍りつく一同。
信じたくない春菜に対し、貫井は真摯に本当のことを伝え、謝罪する。

その翌日、会社に一人でいた貫井。
春菜がやって来て、「父に頼んでみます」と言った。
戸惑う貫井。「どうして?」
春菜は彼をまっすぐ見つめて、
「楽しかったです。事情はどうでも、あの夜、貫井さんと会えて楽しかったですから。そのお礼です」

貫井と壮吾は、春菜の父親に見せるため広告作りを始めた。
張り切る二人。だが籐子はその輪に入れない。
しかし最終のポスター案の決定に加えてもらった。
徹夜で完成させた三人は子供のようにはしゃぎ、採用されることを願った。

春菜はそれを持って実家に帰った。
そして父に、貫井が作ったポスター案を見せようとする。
だが父は見なかった。娘を使った売り込みに激怒した。
「貫井功太郎も落ちたものだ」

春菜は、籐子に「父に見てももらえなかった」と報告する。
期待をふくらませる二人に、籐子は本当のことを話せなかった。
彼女は、二人の努力を間近で見ていた。このまま紙くずになってしまうのは惜しい。
籐子の足は春菜の実家へ向かった。

籐子は春菜の父親に謝罪する。そして貫井企画の一員だと告げた。
現状を伝えるが、彼女の父親の気持ちは変わらない。
しかし籐子は必死に訴える。
「見るだけでも見てもらえないでしょうか。見るだけです、見るだけ!」
頭を下げる籐子。
「一生懸命作ったんです!」
「あなたもですか?」
「……私はずっと見ていただけです」
籐子は、貫井のクリエイターとしての素晴らしさを溢れるように語り出す。
そして、ユニバーサルでは自分の居場所はなかった。しかし貫井企画ではポスター案について籐子の意見を聞いてくれた。嬉しかったのだと話す。
じっと聞いていた春菜の父親は頷き、
「貫井くんのこと、好きなんだね」
慌てて否定する籐子だった。

後日、製薬会社に駆け込んでくる吉武。
なぜユニバーサルの広告が採用されなかったのか、と春菜の父親に迫る。
「貫井企画さんにお願いすることになりました」
「約束が違うじゃないですか!」
激高する吉武に、貫井のポスター案を見せた。
「あなたならどっちを選びますか?」
歴然とする作品の差に、絶句する吉武だった。

貫井企画にも採用の連絡が来た。
大喜びの籐子と壮吾。

一方で、春菜は母親から籐子が貫井のことを好きだと聞かされる。
「籐子ちゃん、好きな人のために頭を下げに来たのよ」
言葉を失う春菜。

外で採用の連絡を受けた貫井は、春菜に連絡をする。
彼女に直接会いに行き、お礼を言う貫井。
「全て倉持さんのおかげです!」
春菜は嬉しそうな貫井に本当のことを告げず、「お役に立ててよかったです」と答えた。

感想とシナリオ分析

とっても面白い回でした!

脚本には、メインストーリーとサブストーリーを必ず設けます。
たとえば、ロッキーという映画がありますが、
あのドラマのメインは試合、サブがエイドリアン(恋)になります。

恋ノチカラだと、メインが貫井企画で働く籐子の成長と成功はどうなるのか?
サブは、籐子の恋愛はどうなるのか?
ということになります。

このメインとサブが交差する時、ドラマは光るんです。
この回は、1勝1敗でいい感じで終わりました。
仕事で勝ち、恋で負ける籐子。
それを知っているのは視聴者だけ。
この先の展開がとても気になる作りができていました。

メインストーリーが動き、サブストーリーが発生するというのが面白い作りになります。
メインストーリーが動いた。(仕事を取るために貫井は必死になった)
それを見ていた籐子にサブストーリーが発生した。(恋ノチカラ)
まさにタイトル通り、恋ノチカラで仕事を勝ち取った。
このドラマのパターンが生まれた瞬間です。

今後はこのメインとサブが並行して、交差を繰り返し、
はたして籐子にどんな結末が待ち受けているのかという展開で、
どんどん物語が面白くなっていきます。4話が楽しみです!

素晴らしかったセリフ

籐子は25歳の時、プロポーズを断ったことを後悔していた。
貫井にどんな選択をしても結局後悔するんだ、と攻撃を受け、
「貫井さんだってユニバーサルやめたこと後悔してるくせに」と反論した。
すると、貫井は怖い顔をして言った。

「後悔なんてしてない。俺はたとえ自分の選んだ答えが間違っていたとしても、後悔しないように貫いてみせる。絶対にあきらめたりしない!」

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