ラブストーリー

「101回目のプロポーズ」第11話 ネタバレ感想 | 1991年・夏ドラマ

101回目のプロポーズ

前回、婚約解消をしてしまった達郎と薫。
達郎は会社も辞めてしまい、全てを失いました。
せめて薫に怒りをぶつけることができれば踏ん切りもつくのでしょうが、彼は薫を恨むことさえできない。
それほど深く薫を愛してしまった。
けれど一緒になることはもう叶わない……

ところが薫の親友の桃子が、「薫をあきらめないでほしい」と達郎に言った。
達郎は何もない自分に彼女が戻るはずがないと弱気の虫が顔を出す。
やはり達郎は最後まで変わることがきなかったのだとわかる。

しかし目の前で奇跡を見た。
負けたまま引き下がっていいのか、と達郎の心に芽生えました。
そして彼はようやく変わることを決断します。
つまり自分の問題(欠点)を解決し、その上で最終的な決着をつけようと考えました。

達郎は薫の前に現れました。
自分の夢も薫も諦めない、と告げ、
「もう一度男として、あなたを取り返します」と宣言。
達郎は本当に変わることができるのか、11話の感想と脚本を分析していきます。

「101回目のプロポーズ」は、FODでご覧いただけます。



登場人物

矢吹 薫 (30)――浅野温子
オーケストラのチェリスト。
結婚式当日に事故死した元婚約者の真壁をどうしても忘れられない。ところが真壁に瓜二つの藤井にプロポーズされる。婚約していた達郎とは解消することになってしまったのだが…

星野 達郎(42)――武田鉄矢
100回目のプロポーズをした薫と婚約解消をし、会社も辞める。
いったんは薫のことを諦めたのだが、夢だった弁護士になるため司法試験に挑戦し、変わった自分で再度薫を取り戻すと誓う…

星野 純平(22)――江口洋介
達郎の弟。法学部の大学生。
両親亡き後、親代わりになって育ててくれた達郎を誰よりも心配し、応援する兄思いの一面がある。
涼子に片思いをしているがまったく気づいてもらえず、兄と同様に苦い思いばかりする…

矢吹 千恵(20)――田中律子
薫の妹。純平と同じ大学に通い、サークルも同じ。
尚人に恋心を寄せるが振り向いてくれず諦めた。
純平と失恋同士でたわむれ、ふざけていると時々ドキッとすることがあり…

沢村 尚人(28)――竹内力
オーケストラのバイオリニスト。
涼子に好意を持たれて困るのだが、徐々にまんざらでもなくなり…

石毛 桃子(34)――浅田美代子
薫の親友。楽器店を経営しながらピアノ教室も主宰。
薫と達郎の恋模様を操るキーパーソン。

岡村 涼子(23)――石田ゆり子
純平とは合コンで出会い、彼の片思いに気づかないおっとり天然娘。
尚人に恋をし、愛のレポートを提出すると…

渋谷 悟 (25)――前田真之輔
達郎の元直属部下。恋愛は達郎と同様ダメらしい…

藤井 克巳(35)――長谷川初範
達郎の元上司で課長。事故死した薫の元婚約者、真壁に顔も声も生き写し。
薫にプロポーズをして、二人は結婚へ突き進むのだが…

藤井 美加(5) ――田中友香里
藤井の娘。薫のピアノ教室に通う。

第11話あらすじ(ネタバレあり)

達郎は、自分の夢も薫も諦めないと宣言し、司法試験に挑戦すると言い出した。弁護士になるのは彼の夢だった。
純平は反対するが、
「しばらくさ、俺のやりたいようにやらせてくれません?」と達郎は弟に頭を下げた。

一方の薫は、尚人に達郎のことを相談する。
「重荷か?」と尚人。
「私、そこまで思われるような女じゃないもん……」と薫は困り顔だった。

桃子は薫のために、達郎をけしかけたと話す。
藤井は女を幸せにするタイプじゃない気がすると桃子は考えていた。
しかし藤井をかばう薫。
桃子は「これ以上何言ってもダメみたい」と呆れた。
それでも薫に、藤井が離婚した原因くらい聞いたほうがいいと忠告する。

藤井は仙台に出張になり、娘の面倒を薫に頼んだ。
そして意を決し、離婚の原因を聞く薫。
藤井は仕事人間で家庭をおろそかにした。だが、妻の浮気を許せなかったと話す。
それでも責任の半分は僕にあるという藤井に、薫は納得した様子だった。
「僕との結婚のこと考えてみてくれないか」と藤井は言った。
薫は笑顔でうなずく。

部屋中に六法全書のページを貼り付け、勉強する達郎。
「受かるわけないだろ! それに薫さんはこんなことしても戻ってこないよ。諦めよ」と、止める純平。
そこへ薫から電話が。
「私のこと少しでも思ってくださってるなら、お願いですからやめてください。私を苦しめないでください」と言われる。
達郎はもう少し待ってほしい、あなたにふさわしい男に変わってみせるというが、薫の返答は残酷だった。
「私、藤井さんと結婚します」
薫はそう決断したわけではなかった。実は純平が千恵を通じて薫に頼んだことだった。
これで達郎が諦めると考えたが、
「こうなりゃ卒業の手だな。ダスティン・ホフマンの映画のやつ」と不気味に笑う達郎だった。

純平は達郎の頭がおかしくなったのではないかと千恵に相談した。
諦めの悪い兄だが少しは見習ったほうがいいと千恵。
純平が未だに涼子に告白していないことを指摘。
「言葉よりも行動で示したほうがいいんじゃない?」といきなりキスすることを勧めた。
そして千恵から「練習する?」と聞かれてうなずく純平。
千恵はまんざらでもない様子……

藤井の娘の美加の面倒を見る薫。
すると美加の実母、つまり藤井の元妻と遭遇した。
元妻は再婚するようだ。
再婚する理由は美加を引き取るため。
さらに離婚の原因は、元妻の浮気ではない。結婚感の違いから将来が不安になり、藤井から離れたかった。彼は会社の体裁を気にして離婚したがらなかったという。
藤井から聞いた話と違うと気づく薫。
そして元妻が再婚する相手は、真面目だけ取り柄ないみたいな人だが、一緒にいるととても落ち着き、ずっと自分のことが必要なんだっていう優しい目をしてくれる人と聞いて、達郎を思い出す……

薫は尚人に相談した。
元奥さんの話が本当だとしたら、藤井の何を見ていたんだろう、と。
すると尚人はきっぱりと言い放つ。
「真壁さんを見ていたんだろ。その人の中に忘れられないもう一人の人を見ていたんだろ」
薫はハッとなり、唖然とした。
そして尚人はいつまでも薫の支えになってやれないという。ドイツの楽団から誘いを受けているのだと。

純平は涼子に、言葉より行動で示そうとした。
だがタイミングを逃す純平。
しかも尚人宛のラブレター(レポート)を見てしまう……

失恋した純平は家に帰り、ベランダで線香花火をしていると勉強中の達郎が来た。
普通の男は一生に1回か2回かしないのに、自分は100回プロポーズした。トラックの前に飛び出してまでプロポーズしたのは普通じゃない。101回目のプロポーズはできない。馬鹿げたことだと自分でもわかってる。でもやめられない、と薫への思いを吐露する達郎。そして弟に頼んだ。
「とにかく司法試験が終わるまで待っててくれ」
純平は兄の気持ちを理解した。

達郎は本気だ。勉強とアルバイトを両立させがんばった。
デスクの前に薫の写真を置いて。
そして司法試験会場へ赴く達郎。

司法試験を終えると、純平や涼子、元部下の渋谷たちがねぎらいに駆けつけた。
予習したところがちゃんと出た、と自信満々の達郎。
「受かってる。受かってると思う!」
皆は期待した。

その頃、薫は藤井の部屋にいた。
聞きたいことがあると、元妻の話をする。本当のことを話してほしいと薫。
「何か吹き込まれたのか」と藤井は苦笑い。
薫は元妻は浮気してないし、離婚も彼女から、それは全部本当かと尋ねた。
「精いっぱい夫の義務は果たした」と藤井。家も買ってやったし、娘の教育にも熱心にやった、とまったく元妻への愛情がない。
それに気づいた薫は泣いて帰ろうとする。
「奥さんは結婚しても女として見てもらいたかった。母親としてじゃなくて。あたしもきっとそう思うわ」
「僕への気持ちが冷めたのか?」
「わからないわ……」と薫は去った。

翌日、純平は薫に会って、達郎を一言だけ褒めてやってほしいと頼む。
薫はできないと断る。
だが達郎に、ピアノバーに薫が来るとすでに話していた。
それでも無理という薫。とはいえ、結果が気になり、試験はどうだったのか?と尋ねた。
達郎は自信満々の様子だったが、多分ダメだと思うと純平はそう言って去っていった。

ピアノバーにいる達郎。
何も知らずに待っていると、純平から薫は来ないと連絡がくる。
ところが電話を切ると、薫がやって来た。
「何度も挫けそうになりました。でもそのときいつもあなたの言葉を思い出したんです」と達郎。
「私の言葉?」と薫。
「人は変われる」
「……」
「それから今夜、もう一つご披露したいものがあるんです」と、ピアノを代わってもらう達郎。
薫が不思議そうに見つめていると、達郎はたどたどしく『別れの曲』を弾きだした。
驚く薫の目から嬉し涙がこぼれ落ちた。

「実はあの一曲しか弾けないんです。別れの曲っていうんですね。縁起悪いなと思ったんですけど、薫さんが懐かしそうに聞いてたから」
そして達郎は薫に告げた。
「司法試験発表の日、合格していたらあの教会に指輪を置いておきます。薫さんの心の中でほんのちょっとでも迷いがあるんだったらその指輪をしてもらえませんか。図々しくてすいません」
「私はそんな……」
「最後です。これ最後です。薫さんがその指輪をしてなかったら俺諦めますから。いつも困らせてすみませんでした。でももうこれ、最後ですから」と優しい目をしていう達郎だった。

感想とシナリオ分析

達郎は本気で変わることを決断し、行動に移しました。
その様子は他者から見ると異様で、純平が達郎を病院へ連れて行こうと考えるほどでした。
しかし長い年月をかけてこびりついた彼の性格を変えるには、狂うほどの行動が必要でした。

でも彼は狂ってはいません。
失恋をしてベランダで線香花火をしていた弟に達郎はこう言います。
「俺は子供の頃からなんでも諦めてきた。でも今度、自分の夢と薫さんを諦めると、俺の残りの人生も全部諦めることになっちゃう」
達郎の思いは切実です。今までの居心地のいい自分を切り捨ててでも手に入れたいものを見つけた。
「身動きができないくらい薫さんのこと愛してんだ。ここしかないんだよ。純平。俺さ、生まれ変わりたいんだ」
兄の必死な思いが純平の胸に響いた。そして弟のセリフがなんともおしゃれだった。
「兄貴。(線香花火を渡し)パッと燃えるか!」
最高の兄弟愛が見れました。

達郎はもう何も恐れることはありません。
彼を応援してくれる仲間がいます。
自分を信じて、前へ前へ進むだけです。

そして司法試験を終えました。結果はいかに?
薫も変わった達郎に対し、どう答えを出すのか?
最終話、どんな結末を迎えるのか、とてもとても気になります。

素晴らしかったセリフ

達郎は司法試験発表の日、教会に指輪を置いておくと薫に告げた。
そしてほんの少しでも迷いがあるなら指輪をしてほしい。
だが薫は引け目を感じている。
達郎はいつも困らせて申し訳ないと詫びながら、これで最後です、と優しく語りかけた。
すると薫が達郎に聞いた。
「どうして、どうしてそんなに人を好きになれるの?」
達郎はずーっと必要なんだという優しい目を彼女にして、笑顔で言った。

「あなただからですよ。薫さんだからです」